【C大阪】まさに「質実剛健」。“優良助っ人”ソウザが見せる凄み

2017年05月21日 本田健介(サッカーダイジェスト)

大宮戦では正確なキックで2アシストを記録。

大宮戦はいつも通り攻守に幅広く動きながら、CKで2アシスト。勝利に大きく貢献した。写真:徳原隆元

[J1リーグ12節]大宮0-3C大阪/5月20日/NACK
 
 今季、C大阪の試合を観た人によく言われることがある。
 
「あのボランチって良いよね」
 
"あのボランチ"とは、日本代表の山口蛍のことではない。それは相棒のブラジル人助っ人、ソウザのことを指すのだ。
 
 質実剛健――、彼のプレーを見ていると、その言葉がよく頭に浮かぶ。
 
 鋼のような体躯を生かしたフィジカル勝負はお手のもので、気迫溢れるプレーはその身体をひと回り大きく感じさせる。ボールを狩り取り、一気に相手ゴール前まで攻め上がるダイナミックなプレーは一見の価値ありだ。さらに、C大阪の中盤を支える男は、その風貌からは想像できない繊細なテクニックも併せ持つ。
 
 現に3-0と快勝した12節の大宮戦では、技術の高さを如何なく発揮した。本来は清武、丸橋が蹴ることの多い、CKのキッカーを務め、2アシストを記録したのだ。まず1本目は、左CKから。ユン・ジョンファン監督の指示通り、ニアで待つ清武に的確に合わせてみせた。
 
「監督からは相手のストーンの選手を越すようにと指示されていました。なので、ストーンとGKの間に入れることだけを意識していました。キヨ(清武)が良いポジショニングを取ってくれて良かった」
 
 針の穴を通すようなキックは、その言葉通り大宮のGK塩田とCB河本の間にスッと落ち、塩田がクリアしようとしたボールを清武が上手く押し込んだ。そして先制点から13分後、再び高精度のキックを見せる。今度は右CKからゴール正面で待つフリーの山村にドンピシャで合わせ、追加点を導き出したのだ。
 
 リーグ戦12試合を終えていまだノーゴールも、すでに5アシストを記録した。本人は「アシストでチームに貢献できているのは嬉しい」と、顔をほころばせる。
 
 目指すJ1初ゴールにしても、ここまでのゲームでは惜しいミドルを何本も放っており、昨季はJ2でチーム2位の8ゴールを挙げた実績もある。歓喜の瞬間を迎えるのは時間の問題とも言えるだろう。
 
 徐々に知名度を上げる優良助っ人は、今後のC大阪躍進の鍵を握りそうだ。
 
【大宮0-3C大阪PHOTO】攻撃の迫力を欠いた大宮がC大阪に完封負け

取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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