弱冠20歳で90億円超の違約金! バレンシア復権の鍵を握る「新しいシルバ」

2017年05月18日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

降格圏に沈んでいたチームの巻き返しに貢献。

類稀なテクニックとプレービジョンを主武器に昇格1年目のバレンシアが急成長を遂げたソレール。今後のさらなる飛躍に期待がかかる。(C)Rafa HUERTA

 今シーズンに一躍台頭したバレンシアの新鋭MFカルロス・ソレールが、現地時間5月16日に契約を更新。2021年6月30日までの新契約を結んだ。なにより驚くべきは、違約金(契約解除金)の金額だ。その額なんと、8000万ユーロ(約96億円)。20歳の選手にしては、もちろん破格だ。

 クラブとしては、イスコ(現レアル・マドリー)をわずか600万ユーロ(約7億2000万円)でマラガに奪われた6年前の反省を踏まえ、他クラブを牽制する意味合いもあったのだろう。とはいえ、根底にあるのはやはりソレールへの高い期待だ。

 2004年、7歳でバレンシアの門を叩いたソレールは当初、各年代のチームでトップ下を担い、ゴールを量産。類稀なテクニックとゲームビジョンをいっそう活かすべく中盤へとポジションを移して以降は、プレーメーカーとしてチームを操った。

 そして迎えた今シーズン、チェーザレ・プランデッリ前監督の下、リーガ・エスパニョーラ15節のレアル・ソシエダ戦(16年12月10日)でトップデビューを果たす。

 その後、プランデッリが電撃辞任するなど、ただでさえ混乱に見舞われていたクラブがその度合いを強めるなか、年明け早々に正式にトップ昇格。後任のボロ監督の信頼も勝ち取り、降格圏に沈んでいたチームの巻き返しに一役買った。昇格1年目にしてここまでリーガの22試合に出場して、3ゴール・1アシストを記録。底知れぬ才能を感じさせている。

 復権を期すバレンシアでは、すでに来シーズンからのマルセリーノ・ガルシア・トラル(前ビジャレアル監督)の就任が内定している。組織を重視しつつも、テクニカルな選手を重用してきた指揮官だけに、ソレールが引き続き重要な戦力として活躍する可能性は大いにある。

 クラブの偉大な先達ダビド・シルバ(現マンチェスター・シティ)にも喩えられる20歳の新星の、さらなる飛躍に期待がかかる。

文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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