ホーム未勝利、鄭大世の当たりも…波に乗れない清水に"ケチャップの法則"は当てはまるか

2017年05月17日 前島芳雄

「先制点を取った後にイージーなミスが増えてリズムを崩した」とは小林監督の弁。

鄭の当たりが止まっているのも気になる点だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 清水は今季まだホームでの勝利がなく、鳥栖はアウェーでの勝利がないチーム。どちらもその初勝利を目指して懸命に戦い、可能性も十分に見せたが、結局はハードルを越えられないまま1-1のドローに終わった。
 
 ただ、鳥栖は「今日のようなプレーを続けていくことで、アウェーでも勝利を掴めると思う」(吉田豊)という手応えのある内容だったのに対して、清水は改善が必要な部分がいくつか散見された。
 
 序盤は、清水がパスをつないで押し込む展開を作り、何度か惜しい形を作った後、調子を上げてきたチアゴ・アウベスがワールドクラスの強烈なミドルシュートを決めて23分に先制。チアゴはドリブルでも攻撃に変化をもたらし、セットプレーのキックでは可能性を感じさせる質の良いボールを何本も供給。チーム全体としてもバランスは悪くなく、上々の展開を作っていた。
 
 だが、残念だったのは、点を取った後の残り70分近くが、ほとんど主導権を握れない展開になってしまったことだ。全体的にミスパスやボールロストが目立ち始めてリズムを崩すと同時に、動きが良くなってきた鳥栖の早いプレッシャーを受けて、思うようにパスを回せなくなってしまったのだ。それが、暑さ(23.8度/湿度58パーセント)の影響があったのか、気持ちが守りに入ってしまったからなのかはわからない。
 
 ただ、ハーフタイムでも修正することができず、後半も同じ流れで鳥栖にボールを支配され続けてしまったのは問題だ。小林伸二監督は、ボールを持つ時間を作れなかった原因について、次のように語る。
 
「向こう(鳥栖)のほうが、足が動いていて、うちはテンポの良いことができなかった。前の選手が準備してないのにパスが入ったり、自分の感覚で入れている面があって(タイミングの)共有ができていない。
 
 それと先制点を取った後にイージーなミスが増えてリズムを崩した。もう少し慎重にというか、ボールをきちんと回すとか、キープして(味方に)落とすといったところが、軽率なように見えた。後半もそのままそういう流れになってしまった感じがします。

次ページ清水は堅守速攻に徹して結果を出せるタイプのチームではない。

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