サポーターに“見限られた”崩壊インテル、35年ぶりの8戦未勝利に監督代行や守護神も「当然の結果」

2017年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

8試合未勝利は35年ぶりで、2ポイントは当時よりも酷い。

前半終了を待たずにゴール裏サポーターが退席。横断幕には痛烈な皮肉が込められていた。(C)Getty Images

 愛するインテルの現状に耐えられないファンが、ついにチームを見限った。現地時間5月14日のサッスオーロ戦(セリエA36節)で、熱狂的ファン「ウルトラス」が、試合途中にスタンドを離席したのだ。
 
 ここ7試合白星がなく、この間の勝点はリーグ最低の2ポイント。インテリスタの怒りは、すでに頂点に達していた。サッスオーロ戦でスタメンがアナウンスされると、ウルトラスは激しいブーイングを浴びせる。さらに、「今シーズンは見るに堪えない」という横断幕を掲げ、スタンド全体を巨大な白幕で覆った。
 
 そんなインテル・サポーターが唯一認めたのが、5月9日に解任されたステーファノ・ピオーリ前監督だ。キックオフ後に掲げられた横断幕には、「ありがとうピオーリ監督、不甲斐ないチームと脇役のクラブの中で、唯一の重要なインテリスタだった」と記されていた。
 
 その後も、ウルトラスは「大金を投じても、クソったれな醜態を晒すことができると示してくれた。オレたちが望むのは勝利であり、醜態じゃない」といった横断幕を掲げて、侮辱的なチャントを浴びせるなど、クラブとチームへの抗議を続ける。今シーズンのインテルは選手の買い取りを含めて、夏と冬で約1億5000万ユーロ(約180億円)を補強費として使っている。
 
 そして前半20分、ついに北側2階ゴール裏スタンドのファンは、ほぼ全員がスタジアムの出口へと向かう。残された横断幕には「お前たちはオレたちのサポートに値しないから、今日は挨拶をして飯を食いに行く」。昨夏から中国資本になり、アジア市場を意識したランチタイム開催への皮肉も交えた強烈な一撃だ。
 
 しかし、ウルトラスの「愛のムチ」も、今のインテルには効果がなかった。サッスオーロに2点を先行されると、途中出場のエデルが1点を返したものの、追いつくには至らず、4連敗を喫している。
 
 イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、8試合白星なしは1947-48シーズンと1981-82シーズンと並ぶインテルのクラブワースト。だが、35年前は8試合で勝点5を挙げたが、今シーズンは2ポイントという体たらくだ。

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