口惜しそうな表情で言葉を紡いだ。
先制ゴールを決めた鈴木は、リードした後「引いてしまって自分たちで苦しんでしまった」と反省。「もう1点取りに行くという後半の最後の方の姿勢が大事だ」と語る。写真:徳原隆元
[J1リーグ11節]新潟1-6浦和/5月14日(日)/デンカS
浦和戦に敗れた新潟は、11節を終えて1勝2分8敗で最下位に転落した。前節の川崎戦終了後、今季初めから指揮官に就任した三浦文丈監督が辞任を発表。後任には呂比須ワグナー氏が内定している(浦和戦後から指揮を執る予定)。
浦和戦は、片渕浩一郎ヘッドコーチが監督代行としてチームを率いたが、結果は1-6の大敗。良い形で新指揮官にバトンタッチをすることはできなかった。
しかし、大量6失点を喫した試合後、意外にもサポーターは拍手で選手を迎えた。おそらくこれから再スタートを切るチームとあって、大敗の絶望よりも巻き返しに期待したいという想いが大きかったのだろう。
これに対し、「僕はブーイングかと思っていた」と口にしたのはFWの鈴木武蔵だ。拍手は意外だったという23歳のストライカーは、試合後、口惜しそうな表情で、続けて言葉を紡いだ。
「それでも6-1で負けてるなかでも、帰らずに最後まで応援してくださった。自分たちも本当に悔しいですけど、サポーターのみなさんも絶対悔しいはず。それでも自分たちを拍手で受け入れてくれるというのは感謝の言葉しかない。このスタジアムに足を運んでくれる方々、テレビで観てくれている方々のためにも、ひとつでも多く勝利しないと。ましてやホームで勝っていない状況で拍手をしてもらって……」
ブーイングを覚悟していたからこそ、サポーターからの拍手がいつも以上に胸に響いた。
「自分たちはそれに甘えちゃいけない。絶対に勝点を積み重ねて、もっと上の順位につけたい」
浦和戦は力の差を見せつけられた試合だった。しかし鈴木は、開始2分に加藤大からのクロスを力強いヘディングで合わせ、先制点を奪取。ホニの負傷により回ってきたスタメンの座だが、今季2試合目の先発出場で結果を出したのは、鈴木にとって小さくない収穫だった。
「(得点を決めたことは)自信にはなるし、今後につなげていかないといけない。もっとチームを救うために、たくさん点を取らないといけない。僕たち前線の人たちが頑張って点を取っていかないと」
後半は、浦和を押し込む時間帯も多く見られた。鈴木は「後半は、みんなもそれぞれが意識して前からプレッシャーをかけに行っていたので、前でボールを奪えることも多かったし、それがやっぱり自分たちの良さだと改めて感じた。引いて守り切るというのはやっぱり自分たちのストロングではない」と振り返る。
浦和戦の大敗を糧に、新たな監督のもと巻き返しを図り、サポーターの想いに応えられるか。鈴木の覚悟が試されそうだ。
【新潟 1-6 浦和PHOTO】浦和の攻撃に為す術なく新潟がホームで大敗
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
浦和戦に敗れた新潟は、11節を終えて1勝2分8敗で最下位に転落した。前節の川崎戦終了後、今季初めから指揮官に就任した三浦文丈監督が辞任を発表。後任には呂比須ワグナー氏が内定している(浦和戦後から指揮を執る予定)。
浦和戦は、片渕浩一郎ヘッドコーチが監督代行としてチームを率いたが、結果は1-6の大敗。良い形で新指揮官にバトンタッチをすることはできなかった。
しかし、大量6失点を喫した試合後、意外にもサポーターは拍手で選手を迎えた。おそらくこれから再スタートを切るチームとあって、大敗の絶望よりも巻き返しに期待したいという想いが大きかったのだろう。
これに対し、「僕はブーイングかと思っていた」と口にしたのはFWの鈴木武蔵だ。拍手は意外だったという23歳のストライカーは、試合後、口惜しそうな表情で、続けて言葉を紡いだ。
「それでも6-1で負けてるなかでも、帰らずに最後まで応援してくださった。自分たちも本当に悔しいですけど、サポーターのみなさんも絶対悔しいはず。それでも自分たちを拍手で受け入れてくれるというのは感謝の言葉しかない。このスタジアムに足を運んでくれる方々、テレビで観てくれている方々のためにも、ひとつでも多く勝利しないと。ましてやホームで勝っていない状況で拍手をしてもらって……」
ブーイングを覚悟していたからこそ、サポーターからの拍手がいつも以上に胸に響いた。
「自分たちはそれに甘えちゃいけない。絶対に勝点を積み重ねて、もっと上の順位につけたい」
浦和戦は力の差を見せつけられた試合だった。しかし鈴木は、開始2分に加藤大からのクロスを力強いヘディングで合わせ、先制点を奪取。ホニの負傷により回ってきたスタメンの座だが、今季2試合目の先発出場で結果を出したのは、鈴木にとって小さくない収穫だった。
「(得点を決めたことは)自信にはなるし、今後につなげていかないといけない。もっとチームを救うために、たくさん点を取らないといけない。僕たち前線の人たちが頑張って点を取っていかないと」
後半は、浦和を押し込む時間帯も多く見られた。鈴木は「後半は、みんなもそれぞれが意識して前からプレッシャーをかけに行っていたので、前でボールを奪えることも多かったし、それがやっぱり自分たちの良さだと改めて感じた。引いて守り切るというのはやっぱり自分たちのストロングではない」と振り返る。
浦和戦の大敗を糧に、新たな監督のもと巻き返しを図り、サポーターの想いに応えられるか。鈴木の覚悟が試されそうだ。
【新潟 1-6 浦和PHOTO】浦和の攻撃に為す術なく新潟がホームで大敗
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)