【ブンデス日本人の現地評】下位対決に先発出場の2人には厳しい評価、他は終了間際の出場が2人だけと寂しい週末に…

2017年05月09日 山口裕平

今シーズン5つ目のポジションに就いた酒井には好意的見方も

前節アウクスブルク戦での失態を挽回しようと、気合の入ったプレーを見せ続けた酒井だが、チームは入れ替え戦を強いられる16位に留まったまま……。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガ第32節。このところ低空飛行が続いている日本人選手たちだが、今節は1部と2部合わせて、先発2人、交代出場2人と、今シーズンで最も大人しい週末になった。
 
 今節、唯一の日本人選手先発カードとなった16位ハンブルク対14位マインツの下位直接対決は、スコアレスドローに終わった。
 
 ハンブルクの酒井高徳は左SBとして先発フル出場。この試合でギスドル監督は、18歳のヤニチッチをボランチとして先発デビューさせる大胆な采配を見せ、このところチームの問題点になっていた左サイドを安定させるために、酒井を左SBに回した。
 
『ビルト』、『キッカー』の採点は4点。地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』は及第点となる3点を付け、「彼は万能な武器だ。左サイドを務めたキャプテンは、これで今シーズン5つ目のポジションで、その仕事をしっかりとこなした」と、酒井のユーティリティー性と安定感を評価した。
 
 地元紙『ハンブルガー・アーベンドブラット』は「このキャプテンは今シーズン、すでに多くのポジションでプレーしている」とユーティリティー性を評価しながらも、「しかし、他のポジションでは、左SBでよりもはるかに良いプレーをしている」と、この日の物足りなさを指摘した。
 
 酒井自身も、この日のプレーについて以下のように振り返っている。
 
「今週中はずっと左(SB)で練習していたんですけど、でもやっぱり試合となると別でした。大崩れするようなシーンはなかったんですけど……。(パスを繋いでチームを)落ち着かせたりしたかったんですけど、自分の感覚としてパスコースを探せなかったというのがありました」
 
 マインツの武藤は、2トップの一角として87分までプレー。序盤にこぼれ球を詰めるチャンスがあったが、うまくミートせず決め切ることができなかった。
 
 武藤はこのシーンについて、「(GKの)手が完全に伸びてくるなと思っていたんですけど、そっち(上)に蹴るべきだった。チップというか、力み過ぎたのかなと思いますね」と振り返った。

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