【久保建英の生コメント】W杯メンバー入り直後の心境。「サッカーはある意味、運。だから…」

2017年05月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「選ばれて、ホッとしている」

15歳でU-20ワールドカップのメンバー入りを果たした久保。写真:サッカーダイジェスト

 2017年5月2日、15歳でU-20ワールドカップのメンバー入りを果たした久保建英がメディアの取材に応じた。

 16年11月5日のJ3・長野戦でJリーグ最年少出場記録を更新(15歳と5か月1日)した若きアタッカーは、U-20日本代表の国内合宿(17年3月)や海外遠征(同3月)の練習試合でゴールという結果を残すと、17年4月15日のJ3・C大阪戦でJ最年少ゴールを叩き出しただけに、メディアの注目も高かった。

 数多くの記者に囲まれた久保は今回のメンバー選出についてまず、爽やかな笑顔で「素直に嬉しいです」と答えた。

「自分は他の人たちとは違って、アジア予選を戦っていない。途中から飛び込み、最後のほうで(代表合宿などに)呼ばれた感じでした。U-20代表は良い選手ばかりいるチームで、良いものを吸収できる場所です。メンバーに入れて嬉しいです」

 驚きというようなものは感じていない様子だった。彼の表情からはむしろ、U-20代表の合宿に呼ばれる度に手にした自信が窺えた。

「1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と(代表合宿に)呼ばれるたびにコミュニケーションも取れて、自信もついてきた。自分は代表でも比較的自由にやらせてもらっていて、そのなかでドリブルとかスペースを上手く使うプレーとか、違いを生み出すプレーとかは比較的できていた」

 とはいえ、ワールドカップのメンバーに入る確信はなかった。

「(磐田の)小川選手や(京都の)岩崎選手、(G大阪の)堂安選手もクラブでゴールを決めて調子を上げていたので、自分は正直、これでは物足りないという思いもありましたけど、選ばれてホッとしています」

 5月に韓国で開催されるU-20ワールドカップのグループリーグで日本が対戦するのは、イタリア、南アフリカ、ウルグアイの3か国。この組分けを久保はどう捉えているのだろうか。

「3か国とも違った特徴を持った国。例えば南アフリカにはアフリカ予選の得点王がいたり、ウルグアイは南米の強豪で、イタリアはセリエAとか見てても守備が堅そう。どこもパンチがあると思います。どこと対戦したいというよりは、一つひとつの試合で勝ちを拾いたい。チームとして予選突破がマストではないですが、決勝トーナメントには行きたいですね。そこまで辿り着けば、あとはどれだけ上を目指すかになります」

 初めて日の丸を背負って戦うワールドカップの舞台。自分の価値を高める意味でも、重要なターニングポイントになりそうだ。

「U-17代表の一員としてアジア予選を戦っている頃は自分がここにいるなんて夢にも思わなかったですけど、選ばれた以上は悔いの残らないプレーをしたいです。日本ではなく、世界のトップレベルでプレーできる選手になりたい」

 あくまで世界を見据える久保。日本が5大会ぶりに出場するU-20ワールドカップでどんな活躍を見せてくれるのか。世界にアピールするには、ゴールこそ近道になる。

「どんなゴールでも1点は1点。泥臭くこぼれ球を狙ったり、切り返して左足で狙ったり、貪欲にゴールを狙っていきたいです。サッカーはある意味、運のスポーツ。だから、(U-20ワールドカップでも)運をこちらに向かせたい」

 果たして、その"運"は久保に味方するだろうか。いずれにしても、この俊英が韓国の地で躍動することを期待したい。
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