【札幌】浦和サポーターに拍手で迎えられた小野伸二は一体何を思ったか?

2017年04月22日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

11年の清水時代以来、6年ぶりに埼玉スタジアムに凱旋。79分からピッチに立つ。

79分から途中出場した小野。1点差まで詰め寄った。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 札幌の小野伸二が、6年ぶりに埼玉スタジアムのピッチに立った。古巣の浦和サポ―ターからも熱い拍手が送られるなかで途中出場し、2列目のポジションで約15分間プレー。技ありのパスを披露するなどチームの攻撃を引き立てた。2-3と1点差に迫ったものの敗れた小野は試合後、「相手の質の高さにやられた。(雰囲気は)最高のひと言。(拍手が送られ)感慨深かったし、すごく嬉しかった」と笑みを浮かべて語った。
 
 小野が埼スタでプレーするのは、11年6月18日の清水時代以来(清水が3-1で勝利)。まず、試合前のメンバ―が発表時、小野の名前がコールされると浦和サポーターからも大きな拍手が送られた。小野はその反応にホッと安堵したと言う。
 
「スタジアムに来るまでは、拍手なのかブーイングなのか、どちらで迎えてくれるのかなと思っていただけに、たくさんの拍手が聞こえてきた時は本当に嬉しかった」
 
 さらに次のように続けた。
 
「こんなにたくさんのサポーターの前でプレーできることが、以前(浦和に在籍した時は)当たり前のように思っていたけれど、とても特別なことなのだと改めてその有難みに気付かされました。それはたくさん駆けつけたくれたコンサドーレのサポーターに対しても言えることで、とても感謝しています」
 
 出場機会が訪れたのは79分。1-3と2点ビハイドのなか、荒野拓馬と交代でピッチに立った。その際もスアジアム全体で拍手が響いたが、一部からは痛烈なブーイングも飛んだ。
 
「2点差だったので、まず1点を返すことだけを考えていた。それまで前を向けるのに、後ろにボールを返している場面が見受けられた。スペースも出来てきていたので、前を向いて攻撃ができるように意識しました」
 
 そう語る小野は随所で正確なトラップやヒールパスなどを披露したものの、「でも、なにもできなかった。相手ぐらいのクオリティの高さを追求したい」と納得はしていなかった。
 
 それでも87分、福森が鮮やかな左足の直接FKを突き刺したシーンでは、小野の"アシスト"が支えた。
 

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