セリエBも佳境! スパルが50年ぶりのA昇格確実、その他は大混戦だ!

2017年04月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

システマチックなサッカーが異彩を放って。

戦術家センプリチの下、システマチックなスタイルをベースに快進撃を続けるスパル。50シーズンぶりのセリエA昇格を視界に捉えつつある。(C)Getty Images

 シーズンがいよいよ佳境に突入し、各国の2部ではトップリーグ行き行きの切符を懸けたバトルが最終局面を迎えつつある。

 1~2位と、3~8位の6チームで行なわれる昇格プレーオフを勝ち抜いた1チームにセリエA昇格が許されるセリエBでは、現在、勝点73のスパルが首位に立ち、2位ヴェローナが勝点66、3位フロジノーネが勝点65でそれを追っている(38節終了現在)。

 そのトップ3のなかでもとくに印象的なパフォーマンスを披露しているのが、頭一つ抜けた感があるスパルだ。

 今年3月にイタリア代表入りをは果たした進境著しい20歳のGKアレックス・メレト、冬に加入したベテランFWのセルジョ・フロッカリを除けば目ぼしいタレントはいないが、戦術家として知られるレオナルド・センプリチ監督が掲げるコンセプトが見事に浸透。3-5-2システムをベースに、攻撃時は4トップ、守備時には5バックになるシステマチックなサッカーが異彩を放っている。

 残り4試合で勝点1以上を上積みできれば自動昇格決定。1967-68シーズンにB降格して以来、実に50年ぶりのトップリーグ挑戦はほぼ確実だ。

 2位ヴェローナはCFジャンパオロ・パッツィーニの出来が生命線。フロジノーネを蹴落として2位以内を確保するためにも、ここまで得点ランク首位の23ゴールと爆発し、力強く前線を牽引するエースのさらなる奮起が求められる。

 3位フロジノーネは、実力派GKフランチェスコ・バルディを中心とした堅守が冴えを見せる。ただ一方で、後半戦に入ってからの得点力の低下は気になるところ。昨シーズンにセリエAを経験したダニエル・チョファーニやフェデリコ・ディオジーニらベテランの奮起に期待だ。

 4位にはともに勝点57でペルージャとチッタデッラがつけるが、すでに2位ヴェローナとは9ポイント差。自動昇格が非常に困難なミッションとなりつつある。一方で、4~12位は7ポイントでひしめき合っており、昇格プレーオフへの挑戦権確保も予断を許さぬ状況だ。

 スパルが頭ひとつ抜け出し、ヴェローナとフロジノーネが2位の座を巡って激しいデッドヒートを繰り広げ、その下で熾烈なプレーオフ出場権争いが展開されている。それが現在のセリエBの構図だ。残りは4節。はたして最終盤戦で、いかなるドラマが繰り広げられるのか。

■セリエB上位12チームの成績(38節終了現在)
1位:スパル/勝点73 (21勝10分け7敗)
2位:ヴェローナ/勝点66 (18勝12分け8敗)
3位:フロジノーネ/勝点65 (18勝11分け9敗)
4位:ペルージャ/勝点57 (13勝18分け7敗)
4位:チッタデッラ/勝点57 (17勝6分け15敗)
6位:ベネベント/勝点55 (15勝11分け12敗)
7位:スペツィア/勝点54 (14勝12分け12敗)
7位:カルピ/勝点54 (14勝12分け12敗)
9位:ヴィルトゥス・エンテッラ/勝点51 (12勝15分け11敗)
9位:サレルニターナ/勝点51 (12勝15分け11敗)
9位:バーリ/勝点51(13勝12分け13敗)
12位:ノバーラ/勝点50(13勝11分け14敗)


※ワールドサッカーダイジェスト2017.05.04号より加筆・修正
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