【現地発】好調・久保裕也がまたしても値千金弾!「今日の勝利はデカい」

2017年04月18日 中田徹

「少しラッキーだった」移籍後6ゴール目。

久保は数少ないシュートチャンスを自らのドリブルによって生み出し、それを結果に結びつけた。 (C) Getty Images

 現地時間4月17日に行なわれたシャルルロワ対ヘント戦(ベルギーリーグのプレーオフ1第3節)は、23分まで両チームとも1本のシュートも打てない、堅固の様相を呈す展開となった。
 
 そんな中で、10試合連続先発出場を果たしたヘントの久保裕也がファーストチャンスをモノにする。
 
 味方CBが蹴ったロングボールをストライカーのクリバリが頭で競って、久保がこぼれ球を拾う。この時ゴールまでの距離は30メートル。とてもチャンスを迎えたとは言い難い。しかし、日本代表FWはゴールへ向かってドリブルすることしか考えてなかった。
 
 ファーストタッチが大きくなり、一度はボールを失いかけたが、構わずに前進してボールをキープ。一気にペナルティーエリア内に侵入すると、相手GKのニコラス・ペネトーのニアサイドをぶち破る、豪快な左足シュートを決めたのだ。
 
 今年1月末にヘントへ移籍してから早くも6ゴール目を記録した久保は、「クリバリにロングボールが出た時に、『こぼれてくるかなぁ』と準備していたのが良かったと思います」と、ルーズボールを狙っていたことを明かし、さらにシュートシーンについても語っている。
 
「ちょっとタッチがデカくなってしまって(相手にボールが)当たりましたけれど、こぼれて来た。シュートは少しラッキーでしたけど、もう、とにかく枠に入れようという意識で打ちました。とくに狙ってはいません。打てば何か起こるかなという感じでした」
 
 前節のアンデルレヒト戦では、再三迎えた決定機に力んでシュートを外し続けてしまった。その反省点を活かした久保はしっかり意識を"枠の中"に定め、シュートの押さえを利かして、見事に沈めてみせたのだ。

  チームの中で機能するという意味でも、久保はゴールを奪った後もトップ下としてボールに多く触れ、味方DFからの縦パスを捌いてチームのリズムを作っていた。
 
 ヒールで味方とのワンツーを成功させ、右サイドから正確なクロスを入れた61分には、ラジオ局の実況も「久保の美しいプレー! 誰しも『バックパスだ!』と思った時、久保はノールックで味方にパスを出してから突破していきました」と驚嘆していた。

 結局、久保のゴールが決勝点となり、チームは1-0で勝利。ヘントは順位を1つ上げてチャンピオンズ・リーグ出場圏内の2位に浮上。日本代表FWのゴールはまさに一撃必殺、価値あるものとなった。

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