【G大阪】深刻化する“今野ロス”の対処法は?

2017年04月19日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「今野のように動ける選手がいないなかで、グルグル回しながらやってますが…」(長谷川監督)

大阪ダービーでは、遠藤(左)をインサイドハーフ、井手口(中央)をアンカーに配置換えしたが、機能したとは言い難かった。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 G大阪の歯車が、大きく狂い始めている。
 
 特に顕著なのが、3月の代表戦で負傷した今野泰幸の不在による「中盤の支配力低下」と「攻撃のアイデア不足」だ。
 
 支配力と言っても、純粋なポゼッションではない。むしろ数字だけで言えば、ボール支配率やパス成功率は、1~4節(平均49.4%/76.1%)よりも、直近3試合(平均55.7%/79.9%)のほうが上回っている。しかし、5節の新潟戦以降、チーム成績は1勝1分2敗と一時の勢いは影を潜めた。選手同士の距離感が遠くなり、伝統の攻撃的なパスサッカーではなく、ロングボールやカウンターに依存した攻撃が増えている。
 
 長谷川健太監督は前節の大阪ダービーで、今季一貫してアンカーで起用してきた遠藤保仁をインサイドハーフに回し、代わりに井手口陽介を中盤の底に置いた。その意図を問われた指揮官は、「次の対戦相手の監督も聞いていますので、難しい部分もありますが……」と言葉を選びながら、次のように説明している。
 
「コンちゃん(今野)が怪我したあと、なかなか今野のように動ける選手がいないなかで、グルグル回しながら今やっていますが、まだしっくりときていない部分もあります。その第1弾として(ACLの)江蘇蘇寧戦を踏まえて、ヤット(遠藤)の攻撃の部分をさらに引き出せればということで、あのポジション(インサイドハーフ)になりました」
 
 もっとも、ゲームプランとは裏腹に、C大阪戦では遠藤が一列前に上がったことで、最終ラインから遠藤へのくさびを引っかけられるシーンが増加。「(倉田)秋とポジションチェンジしながら、バイタルエリアに絡んでいこうと思っていた」(遠藤)狙いも、山口蛍とソウザの2ボランチに封じられ、苦し紛れのパスに逃げるシーンが目に付いた。

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