【浦和】「レッズっぽくなかった」。それでも興梠がFC東京戦をポジティブに捉えた理由

2017年04月16日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

まるで精密機械のように。

華麗なタッチで先制弾を決めた興梠。写真:サッカーダイジェスト

[J1・7節]FC東京0-1浦和/4月16日/味スタ
 
 華麗な一撃だった。
 
 14分、最終ラインの遠藤から柏木とつないだボールを、ラファエル・シルバがドリブルで敵陣内に持ち込む。そして、このブラジル人FWの強気なスルーパスに、興梠が左足で見事に合わせて先制。後方からのスルーパスに「よくもまあ、上手く合わせるものだ」と感心してしまうゴールだった。
 
 なぜあんなにタイミングよく合わせられるのか。その理由として、興梠はR・シルバとの信頼関係を挙げていた。
 
「ラファ(ラファエル・シルバ)が前を向いた時には走り出そうと思っている。今回も、ラファから良いボールが来たので、あとはGKのタイミングをずらすだけだった。ラファはパスセンスがあって、必ず良いボールが来るので、これからもふたりで良いコンビネーションを見せたい」
 
 試合内容にはもちろん満足していない。立ち上がりから押し込まれ、後半も守勢に回る時間帯が多かったと興梠自身も反省していた。しかし、こういう試合を勝ち切ったところには大きな意味がある。しかも、自分のゴールで──。
 
「レッズっぽくなかった。いつものようにボールを支配できなくて、後半も押し込まれてしまって。守備に回ることが多かった。でも、自分としては1‐0で終えるのが理想。こういうゲームをモノにできたのは大きい。
 
 このところ連戦でみんな疲れていたと思う。だから、(4月11日のACL・上海上港戦で使われなかった)自分が頑張ろうと思ったし、ゴールという形で貢献できたのは良かった」
 
 FC東京の面々が「フィニッシュの局面で精度を欠いた」と嘆く一方で、浦和には精密機械のようにゴールへと流し込むアタッカーがいた。仮に浦和が今季のJ1を制したとして、この興梠の一撃はひとつの大きなポイントとなるに違いない。

【FC東京 0-1 浦和 PHOTO】興梠の決勝弾で浦和が勝利
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