デ・ヘアはマドリー移籍へ。マンUが狙う後釜はあの18歳!

2017年04月11日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

デ・ヘアとドンナルンマの運命が交錯する可能性。

マドリー移籍が目前のデ・ヘア(左)。マンチェスター・Uは後釜にドンナルンマ(右)を狙う。写真:Alberto LINGRIA,Getty Images

「ダビド・デ・ヘアはヨーロッパ最高レベルのGKだ」というだけでは、今や過小評価なのかもしれない。マンチェスター・Uのゴールマウスで充実したシーズンを送っているスペイン代表守護神は、数年前から囁かれるレアル・マドリー移籍が今夏こそ成立しそうだ。すでに交渉はかなりの段階まで進んでおり合意は間近。6月中に移籍が実現する可能性も小さくない。
 
 しかし、それだけではない。まだもうひとり、注意を払うべきGKがいる。まだ18歳になったばかりにもかかわらず、すでにミランの至宝となったジャンルイジ・ドンナルンマだ。欧州カップ戦の舞台にこそ立っていないが、セリエAでの際立ったプレーには、ヨーロッパ中のメガクラブが瞠目している。
 
 そのクオリティーとパフォーマンスは、他でもないデ・ヘアの後釜としてオールド・トラッフォードの守護神となるに相応しいレベルにある。
 
 ジージョ(ドンナルンマの愛称)の代理人ミーノ・ライオラは、マンチェスター・U首脳陣とすでに接触を取り始めている。昨夏にズラタン・イブラヒモビッチ、ポール・ポグバ、ヘンリク・ムヒタリアンという3人の顧客を送り込んだことで、赤い悪魔との関係は以前よりずっと緊密になった。
 
 デ・ヘアとドンナルンマの運命が交錯するというのは、決して現実味のない作り話ではない。ただし今のところ、デ・ヘアのマドリー行きが濃厚なのと比べると、ドンナルンマの去就には不透明な部分が多い。
 
 その多くは、延期を繰り返してきたミランと中国資本の経営権譲渡交渉が、今度こそ本当にクロージングにこぎ着けるかどうかにかかっている(現時点では4月14日までに決着見込み)。年齢的にも、ジージョが焦ってイタリアを飛び出す必要ないことはたしか。今後の展開を見守ろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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