【東京V】ついに首位奪取! ヴェルディ改革の仕掛け人が明かす「躍進の舞台裏」

2017年04月06日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

ここまでのスタートダッシュを予見した者は。

6戦4発と当たっているアラン(右)。攻撃陣が挙げた虎の子のリードをしっかり守り切る逞しさが、今季の東京Vにはある。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ついに、東京ヴェルディがJ2リーグの首位を奪取した。
 
 6節のファジアーノ岡山戦を1-0でモノにし、これで5戦連続の完封勝利。褒められたチームパフォーマンスばかりではないが、スペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督のもと、変革を進めながら手堅くポイントを積み重ねている。
 
 はたして、ここまでのスタートダッシュを予見した者がいただろうか。昨季は18位と低迷し、J3に降格した最下位のギラヴァンツ北九州とのポイント差はわずかに5だ。オフに橋本英郎、永田充、内田達也、梶川諒大など複数の即戦力を獲得したが、チーム作りはほぼイチからの構築で、始動直後から新指揮官の細かすぎる戦術指示に戸惑う選手が続出。産みの苦しみは相当なものになると思われた。
 
 ところがどうだ。ロティーナ式の代名詞であるソリッドな守備は瞬く間に浸透し、若き新生ヴェルディは申し分ない結果を残している。6試合を戦って5勝1敗。得点「9」にはさすがに物足りなさを感じるが、失点は驚きの「1」。その堅守に引っ張られてアタッカー陣の切れと積極性が増しており、チームは、急加速的に成長曲線を描いている。
 
 この躍進の火付け役となったのが、ほかでもない、ゼネラルマネジャー(GM)の竹本一彦氏だ。
 
 読売クラブ時代の1980年代から若年層の指導にあたり、女子チーム(現在の日テレ・ベレーザ)の発足にも尽力。ベレーザでは86年から11年に渡って監督を務めた。その後はガンバ大阪(99~2004年)、柏レイソル(05~14年)でコーチや暫定監督、強化責任者などを歴任し、14年の9月に古巣ヴェルディへ帰還。そしてその3か月後、現職のGMに就任した。現在61歳で、奥方はなでしこジャパンの監督、高倉麻子さんだ。
 
 筆者がガンバ担当だった頃、試合終了直後にいつも内緒でゲーム解析をしてくれた。その「竹本ゼミ」はホーム万博での楽しみのひとつだった。分析が緻密で、説明が上手く、そしてユーモアがある。昔と変わらないダンディーな語り口調で、ヴェルディ改革の舞台裏を明かしてくれた。

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次ページ始まりは、ロティーナ自身の売り込みだった。

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