【ミラン番記者】本田圭佑は「マーケティング要員」としても不要に…

2017年04月05日 マルコ・パソット

1試合を挟んでセリエAで13戦連続のプレータイムなし。

Aマッチウィーク明けのペスカーラ戦でも出番なし。本田のミランでの状況はまったく変わっていない。写真:Alberto LINGRIA

 4月2日のペスカーラ戦(セリエA30節)の後半、本田圭佑がウォーミングアップを始めたのを見て、「奇跡が起こった」と思った人もいただろう。ミランは最下位のチーム相手に苦戦し、1-1のまま時間ばかりが過ぎていた。
 
 もしこのまま試合がドローで終わってしまえば、ヨーロッパカップ出場権(4、5位)という目標がまた遠のいてしまう。膠着状態に揺さぶりをかけるために、指揮官のヴィンチェンツォ・モンテッラが久しぶりに本田というカードを切ってみようという気になっても、不思議ではなかったかもしれない。
 
 しかし、それは空しい願望にすぎなかった。モンテッラはまず最初に、カルロス・バッカに代えてジャンルカ・ラパドゥーラを投入(58分)。次にホセ・ソサとマヌエル・ロカテッリ(70分)、最後にマティアス・フェルナンデスとユライ・クツカ(77分)を交代させた。
 
 結局、本田はまたもや出番なし。怪我でベンチからも外れた1試合を挟んでセリエAで13戦連続のプレータイムなしだ。90分間チームメイトたちのありえないような酷いプレーを、またベンチからただ眺めるだけで終わってしまった。
 
 残念ではあるが、まあこれまでにも何度も見てきた風景である。ただ問題なのは、この苦境が今やそれがミランだけに留まらず、日本代表にも影響してきていることだ。
 
 すでに前回(昨年11月)のAマッチウィークにも、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は本田のミランでのあり方を問題にしていた。すべてのナショナルチーム指揮官と同様に彼もまた、選手を選ぶ時はクラブチームでの出来不出来を大きな基準としている。だから代表候補選手たちが、クラブでプレーしていないとなれば頭痛が絶えないだろう。
 
 もちろん本田は日本代表の魂であり、シンボルでもあるから、普通の選手と同じ基準は当てはまらないかもしれない。しかしこれほど長いことミランでプレーをしていないとなれば、さすがに影響は避けられない。長いこと試合で真剣勝負を戦っていないのだ。どんな一流の選手でさえもプレーのリズムや勘を失ってしまう。
 
 3月の2試合(UAE戦とタイ戦)も本田は途中出場で、いずれも大きなインパクトを残せなかったと聞く。当然の結果だろう。

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