ジダンも夢中で、移籍金は史上最高額に!? 「フランスの怪童」を巡る狂想曲

2017年03月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「正気の沙汰じゃない」エムバペの移籍金額に先達たちは警鐘を鳴らす。

代表戦という大舞台においても、動じることなくセンセーショナルなプレーを披露したエムバペ。 (C) Getty Images

 話題沸騰だ。ASモナコ所属の18歳キリアン・エムバペ。間違いなく、いまサッカー界でもっともホットなヤングスターである。

 この3月にフランス代表に初招集されたエムバペは、28日のスペイン戦(フレンドリーマッチ)でも豊かな才能を見せつけた。その3日前のルクセンブルク戦(ワールドカップ欧州予選)でフランス代表史上2番目の若さ(18歳と95日)で初キャップを刻んだ(78分から出場)怪童は、スペインをスタッド・ド・フランスに迎えたこの一戦でスタメンに抜擢され、11歳上のケビン・ガメイロと2トップを組んだ。
 
 最大の見せ場は開始5分。左サイドバックのレーバン・クルザワのクロスに反応してゴール前に飛び込み、セルヒオ・ラモスと競り合いながら右足アウトサイドで技ありのシュートを放った。
 
 惜しくもGKダビド・デ・ヘアの好セーブに阻まれたものの、「緊張はしなかった」という本人の言葉どおり、スペイン相手にも臆することなく、開始直後から実力を発揮。その後も65分に交代するまで、持ち前のスピードとスキルを駆使して攻撃を活性化した。
 
 チャンピオンズ・リーグのマンチェスター・シティ戦(ラウンド・オブ16)で2試合連続ゴール、国内リーグでは直近の6試合で8ゴールとセンセーショナルな活躍を続け、初招集されたA代表でもエムバペは期待に違わぬパフォーマンスを披露している。
 
 彼に対する評価はこの1か月ほどでロケットのごとくぐんぐん上昇し、いまやレアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、バルセロナ、マンチェスター・・シティ、バイエルン、アーセナル、パリSGなど並み居るメガクラブが、この規格外のビッグタレントに夢中になっている。
 
 メディアの報道も過熱する一方だ。

「レアル・マドリーが8000万ユーロ(約96億円)を用意」

「マンチェスター・Uがモナコに1億1000万ユーロ(約132億円)のオファー」

「モナコは1億3000万ポンド(約182億円)以上でないと売らない」

 欧州各国のウェブサイトや新聞には信じ難い金額が連日のように躍っている。
 
 こうした過剰な報道に、元スペイン代表DFのアルバロ・ドミンゲスは、「1億2000万ユーロ(約144億円)という記事を見たが、正気の沙汰じゃない」とツイート。また、元フランス代表MFのロベール・ピレスは、「彼はまだ若い」と言って、早期のメガクラブ行きに警鐘を鳴らす。

次ページ5年も前からエムバペの動向を追っていたのは?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事