ピアツァが大怪我、層の薄いユベントスに暗雲が…

2017年03月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

下された診断は右膝前十字靭帯の断裂。

スーパーサブとして活躍していただけに、ピアツァの離脱はユベントスにとって痛手。終盤戦の戦いに小さくない影響を及ぼしそうだ。(C)Getty Images

 ユベントスに小さくない衝撃が走ったのは現地時間3月29日。貴重なバックアッパーとして随所で才能を発揮していた21歳のクロアチア代表アタッカー、マルコ・ピアツァの長期離脱が明らかになったのだ。

 先発出場を果たした3月28日のエストニア代表との国際親善試合だった。66分、ピアツァは相手に奪われたボールを取り返しにいった際に芝に足をとられ、右膝を負傷。そのまま担架で運ばれた。MRI検査の結果、下された診断は前十字靭帯の断裂だった。

 現地メディアによると手術が必要な状態で、復帰に6~8か月を要するという。つまり、彼はひと足早く2016-17シーズンに別れを告げた。

 EURO2016で101分という短い出場時間で非凡なテクニックとスピードを証明し、一躍脚光を浴びピアツァは、大会後にクロアチア史上最高額の2300万ユーロ(約28億円)の移籍金でユベントスと契約。新天地では試運転を経て徐々に出場時間が増えてきていた昨年10月に、左足を痛めて2か月強の離脱を余儀なくされたが、復帰後は年明けから新たに導入された4-2-3-1の前線で、スーパーサブとして重宝されていた。

 それだけに、彼の離脱はユーベにとって痛手だろう。2列目から前はパウロ・ディバラ、ゴンサロ・イグアインを筆頭に先発メンバーこそ欧州有数の強力な陣容を揃えているものの、選手層に厚みがないのだ。

 4月にはチャンピオンズ・リーグ準々決勝のバルセロナ戦、ナポリとのコッパ・イタリア準決勝・第2レグを控えており、セリエAにしても、2位ローマに勝点8差をつけているとはいえ、油断が生じれば首位陥落もありえないわけではない。これから迎えるシーズンのクライマックスで求められるのは総合力。マッシミリアーノ・アッレグリ監督もピアツァを重要な駒と考えていたはずだ。

 前人未到のセリエA6連覇と11シーズンぶりの欧州王座奪還、さらにはコッパ・イタリア3連覇を狙うチームは今後、スーパーサブを欠いた状態でいかなる戦いを見せるのか。指揮官アッレグリはもちろん、チームとしての真価が問われる。

文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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