70メートル独走のゴラッソ!! ネイマールが強靭なパーソナリティーを見せつける

2017年03月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

強靭なパーソナリティーを見せつけて。

約70メートルのドリブル弾でブラジルに勢いをもたらしたネイマール。充実ぶりを物語るゴラッソだった。 (C)Getty Images

 3月28日に行なわれたW杯南米予選のパラグアイ戦、64分だった。
 
 自陣左サイドのタッチライン際でマルセロからボールを受けたブラジルのネイマールは、マークについたブルーノ・バルデスをフェイントで交わして縦に抜け、さらに寄せてきたロドリゴ・ロハスを一瞬のスピードで置き去りにする。
 
 密集地帯を抜け出した頼れるエースは、高速ドリブルでそのままペナルティーエリアに進入すると、中央の味方にパスを出すような素振りを見せながら囲まれた敵DF3人をけん制し、最後はみずからの右足でフィニッシュ。DFに当たってコースが変わったボールは、ゆっくりと相手ゴールに吸い込まれた。
 
 ネイマールが自陣から単独で持ち上がった距離は、およそ70メートル。いまの充実ぶりを物語る文字通りのゴラッソ(スーパーゴール)だった。
 
 そのゴールに価値があったのは、53分に得たPKを決められずに追加点のチャンスを逸し、0-1のまま嫌な時間帯が続いていたから。苦しい局面で決定的な仕事ができるネイマールの強靭なパーソナリティーは、相変わらずだ。まさにエースと呼ぶに相応しい一撃だった。
 
 86分にマルセロのゴールでダメを押したセレソンは、守備力に定評のあるパラグアイを3-0のスコアで一蹴。これでチッチ政権が誕生してから今予選は8連勝だ。しかも他会場で2位ウルグアイが敗れたため、ブラジルは残り4節の段階でW杯の本大会出場が決定した。
 
 自国開催の14年W杯準決勝、1-7で敗れたドイツ戦のピッチにネイマールの姿はなかった。準々決勝でこのエースが怪我をしていなければ――。そんな想いを抱いたブラジル国民は少なくないだろう。そしてなにより、ネイマール本人があの日プレーできなかったことを悔やんでいるはずだ。
 
 心身ともにスケールアップを遂げたネイマール。リベンジの舞台は、整いつつある。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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