【W杯予選】日本がグループBで初の首位。それでも、安堵できない“3つの理由”

2017年03月29日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

同勝点のサウジを得失点差で上回る。

吉田や岡崎のゴールもありタイに快勝した日本だが……。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[W杯アジア最終予選7節]日本 4-0 タイ/3月28日/埼玉
 
 最終予選の7節を終えたグループB。日本はサウジアラビアと同勝点ながら得失点差で上回り、初めて首位に立っている。
 
 ちなみに、順位表は以下のとおり。
 
<グループBの順位表>
1位/日本 勝点16(5勝1分1敗/14得点・5失点)
2位/サウジアラビア 勝点16(5勝1分1敗/13得点・5失点)
3位/オーストラリア 勝点13(3勝4分/11得点・6失点)
4位/UAE 勝点9(3勝4敗/7得点・10失点)
5位/イラク 勝点4(1勝1分5敗/7得点・10失点)
6位/タイ 勝点1(1分6敗/3得点・19失点)
 
 この6か国のうち上位2チームが本選出場、3位がアジア地区プレーオフ進出(グループAの3位と戦い、勝てば北中米&カリブ海地区との大陸間プレーオフへ)という今予選では、やはり2位以内を確保したい。というのも、アジア勢にとって大陸間プレーオフは鬼門だからだ(過去5大会で大陸間プレーオフを制したアジア勢は98年大会のイランだけ)。
 
 そうした前提で順位表を見直すと、日本がワールドカップ出場を決めるまでの道のりは決して平坦ではない。3位のオーストラリアとはわずか勝点3差で、残り3試合でひっくり返される可能性は十分にある。
 
 そのうえでなにより気になるのは、膝を負傷中の長谷部を次節のイラク戦(6月13日)でも欠くことだ。先のUAE戦で長谷部不在のピンチを救ってくれた今野もそのアウェーゲームで右足骨折の重傷に見舞われ、6月のイラク戦までにベストコンディションを取り戻せるかは現時点で分からない。
 
 また吉田と森重の両CBが揃って"リーチ状態"にあるのも気掛かりだ。例えば6月のイラク戦で警告を受ければ、8月31日のオーストラリア戦に出場停止で欠場となる。CBの控えは槙野(浦和)、昌子、植田(ともに鹿島)、丸山(FC東京)ら代表での実戦経験が乏しい選手ばかりで、吉田もしくは森重の穴を埋められるかは疑問符が付く。
 
 そして中東勢のアウェーゲームをまだふたつ残しているのも懸念材料ある。イラク戦以上に厄介なのは、サウジアラビアとの最終戦(9月5日)だろう。ここまでにグループ2位以内を決めてなければ、ハリルジャパンにはかつてないほどのプレッシャーが伸し掛かるはずだ。

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