チームに不満の本田、「話すタイミングを考えたい」と直談判を控える理由とは?

2017年03月29日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

「結果とは関係がないところで何かを感じながらやらないと」

2試合連続で途中出場だった本田。ピッチに立って感じたチームの課題とは? 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[ワールドカップアジア最終予選7節]日本 4-0 タイ/3月28日/埼玉スタジアム
 
 本田圭佑は先発予想もあったタイ戦で、5日前のUAE戦に続く2試合連続のベンチスタート。66分、左ウイングの原口元気との交代でようやく出番が巡ってきた。
 
 右ウイングでスタメンだった久保裕也は攻撃的なポジションならどこでもこなすため、久保を左サイドに回し、本田は定位置である右サイドに入るかと思われたが、背番号4はそのまま左に陣取った。
 
 試合後、本人は「あんま聞くことないかなと思うんですけど」と言いながら取材陣の前で立ち止まり、その時の心境をこう明かしている。
 
「左だったので、正直、イメージを作れないまま入った。今日いきなり言われたので」
 
 実際、本田のパフォーマンスは及第点を下回る内容だった。ファーストプレーの68分にはスルーパスを失敗し、ほぼフリーでボールを受けた69分は鋭さを欠きシュートを相手GKに弾かれる。78分のロブパスも精度を欠けば、82分には判断の遅れからボールロストした。
 
 久保が宇佐美貴史との交代でベンチに退いて右サイドに回った84分以降も含めて、可能性を感じさせたプレーは、一旦は敵に阻まれるも粘ってクロスに繋げた80分、キープから中央の清武弘嗣に繋げた89分の2回のみだった。
 
 途中交代の準備をしていた時は、「もう3-0の状態だったので勝敗は問題なかったし、内容に関しては考えながら入りました。結果とは関係がないところで何かを感じながらやらないと、意味がないなと思っていたので」という本田。実際にピッチに立って以降は、チームの問題点を痛感したという。
 
「守備の時に両サイドアタッカーが引きすぎてしまって、ボールを奪った時にいるべきところ(ポジション)にいない。前に岡(CFの岡崎慎司)しかいないってケースがある。これは攻撃のやり方、繋ぎ方に問題があるというよりは、意外と守備のやり方に問題があるんじゃないかとか、やりながら感じました。相手のサイドバックが上がった時にウチのウインガーがどう対応するのか」
 
 本田も81分のピンチでは自陣ゴール前まで戻ってクリアをするなど、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の守備戦術を遂行。しかし、この日はダブルボランチが酒井高徳と山口蛍の急増コンビでビルドアップが機能しなかったうえ、チーム全体が引きすぎるあまり、指揮官が志向する「縦に速い攻撃」が繰り出せなかったと指摘した。

次ページ「相手のレベルが上がってくれば」と苦言を呈したが…。

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