アーセナルとリバプールが新進気鋭のイタリア代表MFに接近! 保有元ユーベの決断は?

2017年03月28日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ユーベが5年前の先行投資し、ついに花開きつつある。

実質セリエA1年目ながら、アタランタでレギュラーに定着。スピナッツォーラは一気に名を揚げ、アーセナルとリバプールも興味津々だ。(C)Getty Images

 ユベントスの保有選手リストで急速に評価を上げている若手がいる。18歳だった5年前にシエナから買い取り、下部リーグへのレンタルを繰り返してきた左WB/SBのレオナルド・スピナッツォーラだ。
 
 昨シーズンにセリエBのペルージャで頭角を現わし、今シーズンはアタランタにレンタルされて(ユーベに買い戻しの権利を残した買い取りオプションつき)、ジャンピエロ・ガスペリーニ監督の3-4-3システムの左WBに定着。22試合出場で3アシストを記録し、この3月にはついにイタリア代表に初招集された。
 
 傑出した走力と抜群の運動量を併せ持ち、いわゆる質量を保証するこの新進気鋭のタレントを、ユーベはついに来シーズン、自らの手元に呼び戻そうと考えている。
 
 しかし、そこには大きなハードルがある。プレミアリーグのメガクラブが虎視眈々と獲得を狙っているのだ。アーセナル、そしてとりわけリバプールが、継続的にスカウトを送り込んでスピナッツォーラのプレーをチェックしている。
 
 両クラブは代理人との接触をすでに始めており、これから具体的な話に進む可能性も十分にある。その去就を左右するのは、イングランドの2クラブがどんなプロジェクトを提示できるか、そして何よりもユーベの構想だろう。
 
 ユーベとしては戦力として手元に置くか、売却して利益を得るかのいずれか。5年という時間を費やしてじっくりと成長を待ち続けた今、投資の元を取る道はひとつではない。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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