【日本代表】今野が激白。香川も脱帽するカムバック劇の舞台裏とは?

2017年03月24日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「オマルに関しては相当口酸っぱく言われていた」

15年3月以来の代表にも、ブランクを感じさせないプレーでチームを牽引した。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト特派)

[ワールドカップアジア最終予選]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン
 
 まるで夢のようなカムバック劇だった。
 
 不動のキャプテン長谷部誠の"代役"として、不安はあっただろう。今野泰幸が日本代表に招集されたのは、2015年3月以来。ハリルジャパンでは発足当初の2試合でわずか51分間しかプレーしていない。歴代10位の通算87試合に出場し、ワールドカップを2度経験しているベテランをもってして、「どうなることかって不安だった」という。
 
「普段一緒にプレーしていない選手たちとやるわけだから連係も何もないし、ハリルさんのサッカーを体感していない。すごく難しさはありましたよ。とにかく必死でした」
 
 その"必死さ"は、立ち上がりからプレーに滲み出ていた。UAEの司令塔オマル・アブドゥルラフマンに対して激しくチェックに行って押し込み、アタックを仕掛けてくれば、すかさず鋭いチャージやスライディングでボールを刈った。久保裕也の先制弾が生まれたのも、今野を中心に香川真司や山口蛍らが中盤で良い流れを作れたからに他ならない。
 
「オマルに関しては相当口酸っぱく言われて、ミーティングもたくさんした。相当に技術が高いんで不安もありましたけど、とにかく自分の良さというか、走って、相手を潰して、シンプルなプレーをしよう。試合に入ってみたらハマったし、オマルからパスが出たところを奪ったりとかもできていた。90分間声を出し合いながら、上手く守れたかなと思います」
 
 守備で奮闘するだけでなく、51分には14年11月のキリンチャレンジカップ以来の代表3点目を記録。右サイドの久保裕也からのボールを胸トラップで捌き、GKの股を抜いてゴールネットを揺らしたが、実は「フリーすぎてどうしようって逆に焦っちゃった」という。
 
「(得点シーンは原口)元気がニアに引っ張ってくれて、久保がコース、スピード、場所すべてピンポイントで出してくれた。冷静に胸でトラップした後に焦っちゃいましたけど、とにかく枠に飛ばそうと思ったら、股を抜けて良かったです」

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