18歳の怪童エムバペがA代表デビューへ! フランスは早くも大騒ぎ

2017年03月23日 結城麻里

過熱報道から代表が取材を規制するほどの異例のフィーバー。

取材陣だけでなくファンも殺到するほどに注目度が高まっているエムバペ。レジェンドであるアンリの記録を塗り替えるなど、その動向を世界が追っている。 (C) Getty Images

 この3月にフランス代表に初招集されたモナコの怪童キリヤン・エムバペが、異例のフィーバーを巻き起こしている。
 
 国内最高のユース育成施設で、代表の合宿地でもあるクレールフォンテーヌへの集合日となった3月20日、フランス・メディアは18歳の一挙手一投足を追った。その翌日の『レキップ』紙は、1面から3面までエムバペで埋め尽くされていたほどだ。
 
 この過熱報道から怪童を守る必要性を感じたディディエ・デシャン監督が、21日の公式記者会見に登場させない判断を下したほど、エムバペの存在はフランス中の注目を浴びている。
 
 エムバペは昨年12月に18歳になったばかりティーンエージャーだが、U-20もU-21も飛び越えて、18歳3か月でA代表に初招集された格好だ。もし3月25日のルクセンブルク戦(ワールドカップ予選)に出場すれば、第二次世界大戦後のフランス代表でも史上2番目の若さで初キャップを刻むことになる。
 
 それほどまでにこの怪童は、着実かつハイスピードでスターダムを駆け上がってきた。そもそもリーグ・アンでデビューしたのが、まだ16歳のとき(2015年12月2日)。その8日後にはヨーロッパリーグ(EL)に初登場し、初アシストもマークした。それから約2か月後のトロワ戦ではリーグ初ゴールを叩き込み、あのティエリ・アンリが保持していたモナコ最年少ゴール記録を、あっさり塗り替えてしまったのだ。
 
 今シーズンに入ってもその勢いは衰え知らず。3月21日現在、公式戦18試合に先発して19ゴール。全出場時間におけるゴール率では、82分に1ゴールを決めていることになり、あのリオネル・メッシと並び、欧州5大リーグ1位の数値をマークしている。
 
 エムバペはチャンピオンズ・リーグ(CL)の舞台でも躍動する。マンチェスター・シティと対戦したラウンド・オブ16では、ファースト、セカンドの両レグでゴールを記録。若干18歳の選手がCLのノックアウトステージで2ゴールを挙げた例は、03-04シーズンのカルロス・アルベルト(ポルト)以来、彼が初めてとなった。

次ページ他を圧倒し、相手ファンをも唸らせる怪物ぶりを発揮。

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