映画「U-31」DVD発売記念インタビュー。ブラジルサッカー留学経験のある松浦正太郎さんがサッカー愛と映画を語る

2017年03月23日

“バイト仲間”だった小林悠の活躍に刺激を受ける

松浦正太郎/1983年5月16日生まれ、神奈川県出身。趣味は料理とギター。特技はサッカー。ブラジル留学経験もあり、ポルトガル語も扱える。舞台を中心とした俳優の仕事だけでなく、イベントや番組MCなどを務める。

昨年の夏に公開され、サッカーファンの間で話題になった映画『U-31』。3月29日(水)のDVDリリースを前に、『U-31』にも出演している"自称"宣伝部長の松浦正太郎さんが、編集部にPRをしにやって来てくれた。

――今日は来ていただいてありがとうございます。

「映画の中ではそれほど活躍していないんですが、サッカー好きということでこのようなPRの場に呼ばれことが多かったです。今回も楽しみにしていました」

――映画では、どういった役柄だったのでしょうか?

「サッカーしかやってこなかった、ユース出身の選手の役でした。ちゃらい感じで、そのままの感じでしたね(笑)」

――撮影は1年以上の前のことですが、どんなところが印象に残っていますか?

「楽しいことしかなかったです。とくにプロが使用するジェフさんの本物の施設で、プレーできたのは本当にうれしかった」

――『U-31』はベテランの域に差し掛かった主人公が、サッカーを続けるのか、やめるのか、その心の葛藤を丁寧に描いています。どんな人に観てもらいたいですか?

「サッカーというより、サッカー選手を描いた作品です。自分を見つめ直し、どういう生き方をしていくのかを決める場面は、選手でなくても、経験すること。サッカー好きでなくても、共感できるところはあると思います。実際、自分も30半ばなので、いろいろ刺さるセリフが多かったです」

――なかでも心の残ったものは?

「ケガをしている最中に若手にポジションを取られた先輩が、主人公に引退を告げる時の、『もう闘う気持ちがなくなっちまった』てところですかね。何度見ても、心にきます」

――芸能の世界でも、同じような場面はあると思いますが、ご自身はやめようとか考えたことはありますか?

「というか、まだ舞台にも上がれていません。共演者した同世代の俳優たちは、僕からしたら、キラキラしている人ですけど、話してみると、それぞれにいろいろ考えていて、闘っていました。悔しさもあったし、自分がはがゆかった。もっと頑張らないといけないと素直に思えたし、彼らとの時間はとても刺激的でした」

――映画には、大杉漣さん、勝村政信さんなど、サッカー好きのベテラン俳優も出演されていますが、一緒のシーンはあったのですか?

「残念ながら絡みはなかったです。ただ、勝村さんとは、昔からフットサルを一緒にやっていて面識はあったんです。一度、勝村さんが出演されているドラマのエキストラで自分が出た時に、気さくに声をかけてもらって。その時は本当に雲泥の差がありましたが、今回、番手としては全然差があるんですけど、勝村さんの名前と一緒に自分の名前がエンドロールに流れたのは感慨深いものがありました」

――『U-31』への出演が、俳優を続けていく上で、良いモチベーションになっているようですね。

「それは間違いありません。そしてもうひとつ、勇気をもらった出来事がありました。川崎フロンターレの小林悠選手の活躍です」

――と言いますと?

「小林選手とは、彼が大学生の時、バイト先が一緒でした。居酒屋だったんですけど、いろいろと話をしたし、フットサルもしました」

――プロになる前ですね。

「在学中に川崎に入団することが決まっていたんですが、ユニバシアードの代表になった直後にヒザの十字靭帯断裂という選手生命を脅かす大ケガをしてしまって。もうダメなんじゃないかなって思うこともありました。だけど、彼はリハビリを乗り越えて、プロになって、結果を残しています」

――いまやフロンターレのキャプテンで、日本代表候補にもなっていますね。

「この前、ACL(2月22日の対水原三星戦)をスタジアムで観戦したのですが、目の前でキャプテンマークを巻いた悠君が、ゴールを決めて、マンオブザマッチに輝いて。その姿に本当に感動してしまって、ブログにも書きましたけど、できないことはないんだなって。勇気をもらいました。歳下ですけど、尊敬しています」

――いまも交流はあるんですか?

「たまに食事に行くくらいです。彼も家族を持ったんで(笑)。あと、たまに練習場にも行っています」

次ページブラジルへのサッカー留学と挫折。それがいまの仕事の糧に。

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