インテルのシメオネ招聘に希望! アトレティコがCL出場権を逃せば…

2017年03月15日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

1年の「休養」に耐えられるタイプではないだろう。

アトレティコがCL出場権を逃せば、シメオネは違約金なしで退任できる。インテルはその隙を狙っている。(C)Getty Images

 ディエゴ・シメオネは"タダ"でアトレティコ・マドリーを去ることができる。理由はシンプルだ。現行契約は2018年6月まで残っているが、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を逃した場合、契約書に盛り込まれた違約金条項が無効になるという取り決めがあるからだ。
 
 そして、現時点におけるリーガ・エスパニョーラの順位表は非常に興味深い。バルセロナ、レアル・マドリー、セビージャのトップ3は大きく抜け出し、アトレティコはビジャレル、レアル・ソシエダとCL出場ギリギリの4位の座を争っている。気が抜けない状況だ。
 
 今夏にアトレティコを去ることになった場合、最も可能性が高いのは、バルサ退任後のジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・C監督)やマドリーを去った後のカルロ・アンチェロッティ(現バイエルン)と同じく、1年間の「浪人生活」を送るというシナリオだ。
 
 しかし、チョロ(インディオの意)の愛称で呼ばれるほど熱いハートを持つ男が、1年間もの活動休止にはたして耐えられるだろうか。そんなタイプではないだろう。
 
 それを見越したインテルのオーナー企業である蘇寧グループは、すでにシメオネをサン・シーロに呼び戻すために動き出している。現役時代に1997年から2シーズンに渡ってネラッズーロを背負った闘将の帰還を、周知の通りクラブとファンはずっと待ち望んでいる。
 
 もしシメオネ招聘が実現すれば、インテルは大きな飛躍を遂げるだろう。もし1ユーロも使う必要がないとすれば、尚更である。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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