【川崎】鳥栖戦のドローにもどかしさを募らせる中村憲剛。「もがきながら進むしかない」

2017年03月06日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「ネガティブに捉える必要もないけど、すべてがポジティブなわけでもない」

鳥栖戦を1-1のドローで終え、引き上げる中村。試合後には率直な想いを語ってくれた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ 2節]川崎 1-1 鳥栖/3月5日/等々力
 
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 鳥栖を等々力陸上競技場に迎えた一戦は、小林のゴールで先制するも、前半のうちに追いつかれて1-1で終えた。
 
 試合後、中村は今、感じているというもどかしさを率直に語ってくれた。
 
「もっとジワジワというか、スローテンポでやるところと緩急をつけてやるところを織り交ぜていければ確信的に崩せるようになるのかなと。今はちょっともどかしいです。最後に点を決めるところはピシッと合わないといけないので、そこは擦り合わせていくしかない。向こうが(プレスに)来ているのに前に運べている点はプラス材料。あとは仕上げのところの迫力と、正確性を高めたい。
 
 見えているものはある。それがいつ形として顔を出すのか。(今の状況を)ネガティブに捉える必要もないけど、かといってすべてがポジティブなわけでもない。チームとしてもがきながら進んでいるのは確か。みんなが愚直なまでにやり切ることが大切だと思う」
 
 鳥栖戦は「1点が入る前後は良いペースだった」と、序盤は上手くパスを回し、能動的に試合をコントロールした。今後のテーマはこういった良い時間をどれだけ持続し、ゴールへつなげられるかだ。
 
「最後の崩しのところで合っていない。(小林)悠は動き出しが強いので、それ自体は決して悪くないけど、みんながそこに合わせてしまうと、通れば1点ですが、単発になってしまうところもある。ボール1個分、足半歩分の世界になってくるけど、そこを合わせないと、固めてくる相手は崩せない。でもあとちょっとのところだとも思う。イメージはあるわけだから」
 
 モヤモヤが溜まるなか、今後もACLを含めた連戦が続く。ただ中村は、「試合が多い方が良い。真剣勝負でしか擦り合わせられないことはあるので」と前を向く。
 
 生みの苦しみを過ぎた時にチームがどんな進化を遂げられるのか。新たなステージへ到達できることを今は信じて進むしかない。
 
「いつになったらこういう話をせずに済むようになるのかな」
 
 冗談めいた中村の言葉をいつか笑える日が来ることを願いたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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