踏みつけvs肘打ち! 王様イブラとボーンマスDFが3試合の出場停止処分?

2017年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼が俺の肘に向かってきた」と無実を主張するイブラヒモビッチ。

激しい競り合いのなかでやりあったイブラヒモビッチ(左)とミングス(右)。マンチェスター・Uが終始攻めあぐねるという一方的で退屈な試合展開だっただけに、試合後の焦点は両者のバトルにいった。 (C) Getty Images

 踏みつけと肘打ちの代償は高くつくのだろうか。マンチェスター・ユナイテッドの元スウェーデン代表FWのズラタン・イブラヒモビッチとボーンマスのDFのタイロン・ミングスが、互いに対するラフプレーで3試合の出場停止処分を科される可能性が浮上している。
 
 1-1のドローに終わった現地時間3月4日のプレミアリーグ第27節、マンチェスター・U対ボーンマスの一戦で、前半終盤のミングスとイブラヒモビッチのプレーが騒ぎの的となっている。
 
 先に問題行動を取ったのは、ウェイン・ルーニーにスライディングタックルを仕掛けてボールをカットしたミングスだった。プレーの流れでピッチに倒れたイブラヒモビッチを飛び越えようとした際に、その足がなんとイブラヒモビッチの頭にヒットしたのだ。
 
 頭への踏みつけという危険行為に怒ったのか、イブラヒモビッチは直後のCKの際にハイボールを競ったミングスに肘打ちを見舞った。直前の行為があっただけに、報復とみなされてもおかしくない場面である。
 
 試合の最中に両者への処分はなかった。当人たちはもちろん、無実を主張している。
 
 ミングスは、「踏みつけたりはしない。そこにバトルがあって、肘打ちがあった。イブラヒモビッチはフィジカルが強くて、良いバトルだった」とコメント。
 
 テレビのインタビューに応じたイブラヒモビッチも、「君はテレビを持ってるんだから、映像で分かるだろう。高く飛んだら、彼が俺の肘に向かって飛び込んできたんだ」とし、「ピッチで起きたことはピッチで起きたこと。意図的なことは何もない」と述べている。
 
 だが、『BBC』などイギリス・メディアは、ケビン・フレンド主審がこれらの場面を見逃していたと報告した場合、映像判定で処分が科される可能性もあると報道。英紙『デイリー・メール』は、最低でも3試合の出場停止の可能性を伝えている。
 
 マンチェスター・Uの主将であるルーニーは試合後、「主審は彼がズラタンの頭を踏もうとしたのを見ていなかったんだと思う。僕はその場にいた」とコメント。「頭を踏む行為はサッカーにおいて誤ったものだ」とミングスを非難し、イングランド・サッカー協会(FA)が処分を下すことを期待すると述べた。
 
 一方で、イブラヒモビッチの行為も処分に繋がりかねないからか、マンチェスター・Uの指揮官ジョゼ・モウリーニョは、「我々はメディアで泣きわめくような世代じゃない」と語り、「我々はストリート・フットボール世代で、起きたことは起きたこと。試合は終わったんだ。大事なのは結果だ」と、水に流すべきと主張している。
 
 なお、仮に3試合の出場停止が科された場合、イブラヒモビッチはFAカップ準々決勝のチェルシー戦、プレミアリーグのミドルスブラ戦、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦に出場できないことになる。
 
 最近では、存在感の高さとパフォーマンスから、かつてクラブの黄金期を支えた「キング」ことエリック・カントナと比べられ、その王様本人からも称賛されたイブラヒモビッチ。モウリーニョはその主砲を頼りにチームを作ってきたため、離脱となれば少なくない影響が出るだろう。
 
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