【岐阜】佐藤寿人も絶賛⁉ 名岐ダービーで見せた“大木スタイル”の真骨頂

2017年03月05日 本田健介(サッカーダイジェスト)

庄司、永島、シシーニョ――中盤3枚の貢献度が光る。

名古屋戦は田中のゴールで先制。金星まであと一歩だった。写真:徳原隆元

[J2リーグ2節]名古屋 1-1 岐阜/3月4日/豊田ス
 
 公式戦で初めて行なわれた名古屋と岐阜の名岐ダービーは、"風間グランパス"への注目が大半を占めていたのではないか。しかし、目を奪われたのは、風間監督と同年齢の大木監督率いる岐阜の攻撃的なスタイルだった。
 
 名古屋の佐藤も対戦した印象を驚きとともに語る。
 
「大木さんが監督をされているので、ボールをつないでくるとの情報は持ってはいました。でもあそこまでつないでくるとは思っていなかったです。(広島が)岐阜とキャンプで練習試合をしたなかで、僕が広島の選手から聞いていたのは、凄く良いサッカーをしているということ。でも、それは自分たちが想像していた以上のものでした。今日は何回、うちの選手は股を通されたのかと。ギリギリのところで取れそうで取れないシーンが何度もありました」
 
 佐藤が語る通り、岐阜のパスワークは際立っていた。フォーメーションは4-3-3。このなかで庄司、永島、シシーニョで組む中盤の「3」がよく効いているのだ。テクニックの高い3人は面白いようにボールをつなぎ、サイドラインギリギリまで開くウイングの田中、古橋へとボールをつないでいく。
 
 先制点の場面もシシーニョからのフィードを田中が右サイドで受け、カットインして左足を振り抜いたものだった。
 
 かつて甲府や京都で評価を高めた"大木スタイル"の真骨頂。まさにそう言えるパフォーマンスだった。
 
 ただ当の指揮官は勝ち切れなかった点に悔いがあったのか、試合後の会見ではやや憮然とした表情だった。
 
「まずグランパスさんには感謝しています。ああいうゲームをしてくれたらうちも良いゲームになる。前節とは逆で追い付かれてしまった。選手には良く言いますが、弱いチームは強いチームに良いゲームをすることはできるけど、最終的には勝つことはできない。まさにその典型だったと思います。
 
(試合展開は)思い通りではなかったです。後半はグランパスさんにペースを握られたと感じています。そういうなかでもう少し頑張らないと。(試合を)自分たちのモノにできるように力をつけたいです。ただ選手は良くやってくれました」

次ページ大木監督は京都での悔しさを晴らせるか。

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