14歳でプロデビューした「ペレ二世」こと神童フレディ・アドゥの現在は?

2017年03月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

新天地はポーランド2部のノビ・ソンチか。

14歳でプレビューした神童アドゥもすでに27歳。表舞台に返り咲けるか。 (C)Getty Images

 かつて世界中の話題をさらった神童、フレディ・アドゥを覚えているだろうか?
 
 ガーナ生まれのアメリカ人。14歳で参加した2003年のU-17ワールカップで4ゴールを挙げてアメリカのベスト8に貢献すると、その3か月後にU-20ワールドカップにも出場。彗星のごとく現われたアタッカーの超逸材に、世界中のサッカーファンが釘付けになった。
 
 2004年にMLSのDCユナイテッドに入団し、14歳10か月でプロデビューを飾る。これは1887年から続くアメリカの全プロスポーツ史上で当時の最年少だった。以降はチームの主力としてタイトルの獲得に貢献。"ペレ二世"と呼ばれた青年は、そのブラジルのレジェンドとCM共演も果たすなど時代の寵児となる。だれもが将来を嘱望し、ポテンシャルを称え、成功を疑わなかった。
 
 しかし――。歴史を変えた衝撃のデビューから13年。欧州トップクラブのスカッドに「フレディ・アドゥ」の名前はない。
 
 欧州に初挑戦したのは2007年6月。渡ったのはポルトガルのベンフィカだった。しかし思うように活躍できず、1年後にモナコへレンタル。そこでも9試合の出場に留まった。

 そこからベレネンセス(ポルトガル)、アリス(ギリシャ)、リゼスポル(トルコ)と移籍を繰り返したものの期待に応えられず、2011年にはついにアメリカ帰還(クラブはフィラデルフィア)を余儀なくされる。
 
 以降はブラジル、セルビア、フィンランドの中小クラブを渡り歩き、2015年に北米サッカーリーグ(実質アメリカ2部)のタンパベイ・ローディーズに入団するも、2017年1月に退団。フリーの身となっていた。
 
 1989年生まれの27歳。つまりガレス・ベイルやトーマス・ミュラーと同世代だ。まだ老け込む年齢ではなく、本人もフットボール界での成功を諦めてはいない。事実、現地時間3月2日には、ポーランド2部のサンデツヤ・ノビ・ソンチへの入団が内定したと伝えられたばかりだ。
 
 早熟の天才としてこのまま消えていくのか。いまだ保ち続ける情熱の火を結果に繋げられるのか。神童と呼ばれた男の意地を、見せてほしい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事