【川崎】意外性に満ちたボランチ板倉の同点弾。本人も「なんで?」な位置取りの訳は?

2017年03月02日 江藤高志

本人も話をすることで徐々に記憶が蘇り……。

チームを救うゴールを決めた板倉だが、その後散見されたパスミスを猛省。(C) Getty Images

[ACL第2節]イースタンSC 1-1 川崎/3月1日(水)/香港・旺角
 
 センターバックの奈良竜樹をレッドカードで失い、苦境に陥っていた川崎をボランチの板倉滉が救った。52分のことだった。
 
 川崎がピッチ中央から右に展開。スペースに走り込んでパスを受けた田坂祐介が、狙いすましたクロスを入れる。ハイネルを経由し、浮き玉になったボールを蹴り込んだ選手が誰なのか、スタンドからはしばらく確認できなかった。ゴールを決めた板倉の動きはそれくらい意外性に満ちたものだった。試合後、この場面について板倉に聞いた。何故あそこにいたのか。
 
「なんでですかね? 流れの中で、ですかね。セットプレー? セットプレーじゃないですね」
 
 セットプレーではなく、流れの中から。無我夢中にプレーしていたからか、板倉は最初、自らの動きについて思い出せなかった。ただ、話をすることで徐々に記憶が蘇り「ちょっとあそこは自分でもチャンスだなと思って」走り込んでいたのだと話してくれた。
 
 ゴールの場面。板倉は右サイドに展開した田坂に対し、手を上げてボールを要求していた。
 
「ファーにいたんですが、タッピーさんも最初はオレに合わせようとしてくれて。ただ、ボールが合わなくて、ハイネルがうまく落としてくれました。あとは突っ込むだけでした」
 
 ハイネルがカットし、背後に蹴り上げたボールは微妙な位置に飛んでいた。相手GKイェ・ホンファイが反応するなか、板倉は勇気をもってこのボールにチャレンジ。GKと交錯していてもおかしくないなか、これを押し込み、川崎に同点弾をもたらした。

次ページ負傷を抱えながらのプレーでパスミスも散見。しかし言い訳はせず。

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