脳梗塞から復帰のラモス氏が気勢!「10分でも現役で。今治の背番号10は空いているの?」

2017年03月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「珍しくネガティブなことばかり考えた」。

最初は神妙な面持ちではじまった会見だったが、最後は“舌好調”に。ラモス節を炸裂させた。(C)SOCCER DIGEST

 元日本代表MFのラモス瑠偉氏(60歳)が3月2日、昨年末に発症した右中(うちゅう)大脳動脈・脳梗塞からの退院、復帰会見を行なった。「みんなありがとう。嬉しいよ。この通り元気です。一曲歌おうか?」と、軽快なラモス節ではじまった。
 
 とはいえ、発症時の恐怖を語るラモス氏はいつもとは大違い。一昨年に結婚した俊子夫人が第一発見者で、「朝7時前くらい、身体が突然痙攣して立ち上がれなくなった」と振り返る。「奥さんに言われたのは就寝時に3回、ものすごい音のいびきがあったと。でも、俺は正直なにも覚えていない」と続けて、病院で目を覚ましたときに「脳梗塞と言われてほんとにビビリました」と神妙な表情で話した。再発したらかなり危険な状態になることを知らされ、「私にしては珍しくネガティブなことばかり考えた」とうなだれた。
 
 車椅子で2日間、すぐに歩行器で歩き始めたことが良かったと語るラモス氏は、「死ぬのは怖くなかったけど、2度と妻や子どもに会えないことを考えると辛かった」と、何度も号泣する場面があった。
 
 入院していた病院から「専門の施設に転院したほうがいい」と勧められ、1月24日からリハビリを開始。「はじめはバンザイすら自力でできなかった。足も曲げることができなかった。治らないのかなとも思った」と言う。土日以外は1日3時間近く、再起に向けて猛烈なリハビリに取り組み、驚異的な早さで、2月14日に退院した。
 
 そして2月27日のMRI検査の結果は「60歳の身体ではありませんと言われた。異常なし!」と胸を張った。国内の航空機の移動も問題ないとされたが、大事をとって心臓の動きを観察するため、左胸の下に「心臓モニター」を埋め込み、モニタリングを行なっているという。
 
「こんなに規則正しい生活をしているのは生まれて初めてだ」と笑わせ、「(脳梗塞が)最悪になるまで1ミリ、2ミリ直前で血栓が止まっていたそうです。でも運が良かったと言わないでほしい。人間は与えられた試練を持っているんです。そして乗り越えられない試練を与えない。それが神様です。みなさんの応援がなかったらここまで来れなかった。一生忘れない」とした。
 

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