【G大阪】惨敗に危機感を募らせる倉田。「こういうサッカーは目指していない」

2017年03月02日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「もっと俺とアデミウソンで打開する力が必要」

14分に迎えた決定機ではゴールならず。逆に、一瞬の隙を突かれて立て続けに失点するなど、集中力を欠いたプレーが目についた。 写真:川本 学

[ACLグループステージ2節]G大阪1-4済州ユナイテッド/3月1日/吹田S
 
「今日は悔しすぎる……」
 
 ホームで4失点の大敗を喫した済州ユナイテッド戦後、倉田秋はミックスゾーンで自らへの怒りを堪えるように、試合を振り返った。
 
 G大阪は今季の公式戦3試合で用いた4-3-1-2ではなく、最終ラインを1枚減らした3-5-2を採用した。しかし、立ち上がりから相手のプレッシングに押し込まれ、前線に良い形でボールをつなげず。前半に唯一作ったチャンスが、遠藤保仁のくさびをアデミウソンがヒールで流し、倉田がスペースに飛び込んだ14分のシーンだったが、相手GKの好守でモノにできなかった。
 
 試合後には連戦による疲労の影響に質問が集まったが、倉田は「そういう次元の話じゃない」「それを言い訳にしたくない」と一蹴し、あくまで敗因は技術面、戦術面にあったと説明する。
 
「技術面もミスばっかりだったし、球際も向こうのほうが気持ちを込めて戦っていた。スコアを見てもボコボコ。何もさせてもらえなかった感じです。チーム全体が後ろが重い感じで、(ボールを)取られた後に切り替えて奪いに行く回数も少なくて、攻撃につながらなかった。僕らはそういう(後ろに重心を置いた)サッカーは目指していない」
 
 済州・U戦ではアデミウソンがひとりで仕掛ける形は何回かあったものの、倉田は相手の守備網を突破できず、引っ掛けられてカウンターを食らうシーンが見受けられた。PKでの1点を返すにとどまった攻撃について、倉田は危機感を募らせながら課題を挙げる。
 
「俺ら(倉田とアデミウソン)の判断ミスが多かった。前線で収められないと厳しい。俺とアデミウソンで、局面を打開していく『個の力』がもっと必要かなと」
 
 今季は『勝』をスローガンに、タイトル奪還に向けてスタートダッシュを目論んだが、リーグ開幕戦(1-1)に続き、躓いてしまった。「タイトルを獲りに行いこうとするチームは、こういう試合をしてはいけない」(倉田)のは事実だが、過密日程はまだ続くだけに、G大阪は引きずらずに前を向くしかないだろう。
 
「今日で良かったところと言えば、全部悪いところが出たことくらい。良いスタートダッシュを切りたかったし、こんな結果には絶対にしたくなかった。切り替えるしかないので、みんなでしっかり話し合ってやっていきたい」
 
 新10番として、副キャプテンとして、倉田はチームの立て直しに全身全霊を注ぐ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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