【磐田】OB福西氏が見た”俊輔効果”。名波監督と中村が「あまり話していない」理由とは?

2017年02月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

正直、あれだけの人数が居残り練習をしていて、びっくりした。

中村が率先して居残り練習に取り組むことで、チームメイトも刺激を受けていた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 磐田のトレーニングを取材して、一番初めに感じたのは雰囲気の良さだ。みんな活気があり、チームを盛り上げようとしていた。去年よりも競争心が表に出ていて、良い意味で遠慮がなくなった印象だ。個々が成長し、それをチーム力に還元しようとする意識が高い。そこは去年との大きな違いを感じた。
 
 雰囲気の変化には、中村俊輔の影響も大きい。俊輔のような選手が率先して居残り練習に取り組むことで、他の選手がそれについていっている。

 私が取材した時、居残り練習をしているのは俊輔だけではなかった。正直、あれだけの人数が居残り練習をしていて、びっくりしたほどだ。私が現役の頃は普通だったが、ここ最近は少なかったので良い意味で驚きだった。もちろん、居残り練習をすればいいというわけではないが、それぞれが自分の課題に向き合っているのは良い傾向だろう。
 
 チームメイトにレベルの高い選手がいると自然と良い刺激を受ける。私が現役だった当時は、ドゥンガやスキラッチ、ファネンブルグなどの存在が刺激になっていた。名波監督は「ファネンブルグは凄い」とずっと言っていたし、中山さんはスキラッチ、私はドゥンガのプレーからいろいろと学んだ。
 
 今は俊輔がそういう存在として、磐田を引っ張ってくれる気がしている。(上田)康太にしたって針谷にしたって、俊輔を間近で見られて参考になっているはずだ。ボールの置き所、パスの質へのこだわりを感じられるし、相当な影響を受けているだろう。
 
 また、俊輔の加入によってサッカーの内容にも変化が生まれている。ゲームを動かせる選手が入ったことは、磐田にとって大きい。俊輔が流れに合わせて変化を与えることで、攻撃がワンパターンにならずにすむ。

 去年の磐田は一辺倒というか、強みがサイドにあるためにクロスからの攻撃が多く、それをジェイが決める形が確立されていた。その反面、サイドに攻撃が偏る傾向が強かったが、今季は俊輔が入ったことで、サイド攻撃の強みを生かしつつ、中央から組み立ててスルーパスで崩す選択肢が生まれている。

次ページ名波監督も感じる"俊輔効果"。バリエーションの広がりを喜んでいる。

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