【ブンデス日本人の現地評】同点アシストの大迫は専門誌のMVP、逸機の長谷部には酷評 etc.

2017年02月21日 山口裕平

初フル出場の宇佐美は歴史に名を残す機会を逸したばかりか…。

大迫の鮮やかな反転からのスルーパスが、チームの公式戦3連敗を阻止した。 (C) Getty Images

 前節を終えた時点で記念すべきリーグ通算5万ゴールまであと1点に迫り、迎えたブンデスリーガ第21節では、誰が歴史に名を刻むのかが注目を集めていた。
 
 他に先んじて金曜日に行なわれたアウクスブルク対レバークーゼン戦(1-3で前者が敗北)でスタメンに名を連ね、そのチャンスを手にした宇佐美だったが、逆に彼のボールロストからベララビに歴史的なゴールを許してしまった。
 
『ビルト』、『キッカー』はともに宇佐美に対して4点を付け、地元紙『アウクスブルガー・アルゲマイネ』は「最初は可能性を感じた。ぞんざいなトラップで最初の失点に絡み、その後はずっと消えていた」という厳しい寸評とともに、4.5点を与えた。
 
 一方、ホームでシャルケと1-1の引き分けに終わったケルンの大迫は、絶妙なパスからモデストの同点ゴールをアシストした。
 
 試合を通して、モデストへ何度もスルーパスを通した大迫に『キッカー』はチーム最高タイとなる2.5点を与え、以下のような評価をもって今試合のMVPに選出している。
 
「(他のケルンの選手のような)酷い立ち上がりの後、大迫は力強くプレーのピッチを上げた。この日本人は非常に流動的で、同点ゴールを演出しただけではなかった」
 
『ビルト』もチーム最高タイとなる2点と高く評価。しかしその一方で、地元紙『エクスプレス』は「立ち上がりは散漫だったが、試合に入っていき、何度もモデステにパスを送った」と記し、採点は3点に止まった。
 
 味方のPK失敗もあり、常に先手を取りながら惜しくも勝利を逃した(2-2)ハンブルクの酒井。右SBとしてフル出場を果たし、2点目をアシストする活躍を見せたが、評価はいまひとつで、『ビルト』、『キッカー』の採点は、ともに4点だった。
 
 地元紙『ハンブルガー・アーベンドブラット』も「いつもはスイス製の時計のように堅実なのだが、この日はトルコのバザーで売られている偽物のロレックスのようだった。しかし、2点目のシーンだけ、まるで本物かのように輝いた」と厳しかった。

次ページ前半のプレーは評価された原口だが、後半の逸機が悔やまれる。

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