【千葉】ハイプレス&ハイライン――エスナイデル流はJ2で通用するのか?

2017年02月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

序盤の入りは良かったが、後半に2失点して柏に完敗。

新体制で柏戦に臨んだ千葉。新戦術を試したが、0-2で敗れた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2月11日、リーグ開幕に先駆けて、柏対千葉の「ちばぎんカップ」が日立柏サッカー場で行なわれ、千葉は0-2で柏に敗れた。
 
 今季から千葉の監督に就任したフアン・エスナイデル監督は、試合をこう振り返る。
 
「結果は別のものであってほしかったが、この試合から素晴らしい結論を導き出すことができた」
 
 その"結論"は明言しなかったが、新体制となったチームがこの日、見せたのは前線から積極的にプレスをかけ、最終ラインを高く保つ"ハイプレス&ハイライン"戦術だった。
 
 布陣は3-1-4-2。3バックは左から西野、近藤、若狭が並び、アンカーにはアランダが入った。2列目は左から乾、町田、山本、北爪で、前線は清武、船山の2トップとなった。
 
 序盤から千葉は2トップとインサイドハーフのふたりが、柏のCBとダブルボランチにプレスをかけ、両サイドの乾、北爪は相手の両SBから自由を奪う。最終ラインは常に高い位置をキープし、オフサイドの山を築く。「勇敢な戦術だった」と敵将の下平監督が評したように、試合を通じて両チームのオフサイド数は8:0と、千葉の狙いは数字にはっきりと表われていた。
 
 しかし、下平監督はこうも続ける。
 
「ハイプレスとワイドを起点としたアグレッシブな戦い方。なかなかない戦術だとは思う。ただ、裏を狙ってチャンスを作れた。逆にスペースがありすぎて決め切れなかった」
 
 30分過ぎから徐々に千葉の足が止まりだすと、柏の猛攻が始まる。32分にはクリスティアーノに左サイドを突破され、35分にはディエゴ・オリヴェイラに裏に抜け出され決定的なシュートを放たれる。45分にはクリスティアーノに今度は右サイドの裏でボールを受けられ、ハモン・ロペスへのクロスを許した。
 
 ハーフタイムに「スタートは良かった。プレスを続けること」と、フアン・エスナイデル監督は選手を叱咤激励し、新外国人のラリベイとホルヘ・サリーナスを投入。反撃を試みる。
 
 それでも、柏の勢いを止められず、60分と63分に立て続けに被弾。前半には6本取れたオフサイドも後半は2本とその数を減らした。
 
 さらに負荷がかかっていた最終ラインの西野と若狭が後半途中に負傷。交代を強いられ、ベンチメンバーを使い切っていたチームは81分以降を10人で戦うこととなった。

【ちばぎんカップ】柏2-0千葉 柏がクリスティアーノ、D・オリヴェイラの2発で好スタートを切る!

次ページキャプテンの近藤は前を見据える。

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