ミランが「史上初の快挙」を達成するも、本田だけが歓喜の輪から…

2017年02月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

9人の状態でゴールを奪って勝利したのはセリエAで初めて。

ボローニャ戦でも出番がなかった本田。直近10試合で1分間しかプレータイムを得られていない。(C)Getty Images

 ミランは現地時間2月8日のボロ―ニャ戦(セリエA18節順延)で、9人対11人という圧倒的に不利な状況にもかかわらず、1-0の勝利をもぎ取った。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙によると、これは史上初の快挙だったようだ。
 
 セリエA3連敗中だったミランは、37分にガブリエル・パレッタが、59分にユライ・クツカがそれぞれ退場となり、アディショナルタイムを含めて約35分間にわたって9人での戦いを余儀なくされた。
 
 しかし、終了間際の89分、ジェラール・デウロフェウのアシストからマリオ・パシャリッチが値千金の決勝ゴール。セリエAで5試合ぶりとなる白星を手にした。
 
 ガゼッタ・デッロ・スポルトによると、2人少ないチームの勝利は初めてではない。だが、過去の例では、勝利したチームが退場者を出す前にリードを手にしていたという。直近の例が、2016年5月8日のカルピ対ラツィオ戦だ。ラツィオは3-0と大量リードを奪ってから、ルーカス・ビグリアとフィリップ・ジョルジェビッチの退場で9人となったが、敵の反撃を1点に抑えて逃げ切っている。
 
 また、ドローではあったが、2010年2月20日のインテル対サンプドリア戦も、2人の退場者を出したインテルの奮闘が称賛された試合だ。当時インテルを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督が、判定に抗議して「手錠パフォーマンス」をしたことで記憶しているファンも少なくないだろう。
 
 38分までに2人が退場となったインテルは、最後まで失点しなかった。試合は73分にサンプドリアも退場者を出して9人対10人となり、スコアレスドローに終わっている。
 
 いずれにしても、ボローニャ戦でのミランは、前例のない快挙を成し遂げたということだ。しかも、9人という状況でセットプレーではなく、流れの中から決勝点を挙げたことがさらに価値を高めている。
 
 イタリア『スカイ・スポーツ』も、「ミランは再び見事な闘志を取り戻した。クラレンス・セードルフやフィリッポ・インザーギ、シニシャ・ミハイロビッチが率いていたときには、ほとんど見られなかったスピリットだ」と賛辞を寄せている。
 
 もちろん、課題は多く残る。退場の多さもその一つだ。パレッタは今シーズンすでにレドカードが3回目。欧州の主要5大リーグで最多の数字だ。チームとしても、ミランは2013年以降の欧州主要リーグでトップの31枚のレッドカードを食らっている。今シーズンは退場ゼロのユベントスやローマとの違いが際立つ。

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