【川崎】「らしさ」は最初の15分だけ… ドローの東京V戦、苦戦の理由は?

2017年02月06日 江藤高志

鬼木監督は「想定内の内容」。

昨季はリーグMVPを獲得した中村。今季欲しいのはやはりタイトルだろう。写真:江藤高志

 2月5日、川崎フロンターレが沖縄での2次合宿初戦となる東京ヴェルディとの練習試合を行なった。試合形式は東京Vと45分を3本。東京Vとの対戦後、九州リーグ所属の海邦銀行を相手に45分を1本行なった。
 
 現時点でのAチームで臨んだ45分の1本目、2本目は2本目の失点により0-1で敗戦。選手を入れ替えて臨んだ東京Vとの3本目が1-0。海邦銀行との45分が5-0という結果だった。
 
 45分の1本目は、川崎が「らしさ」を見せる立ち上がりとなる。左右の両サイドハーフの中村憲剛、阿部浩之が中央にポジションを取ることで生まれたスペースに、両サイドバックが攻撃参加。さらにボランチが押し上げることでエドゥアルド・ネット、大島僚太がセカンドボールを拾う分厚い攻撃を実現した。
 
 前半開始からの5分だけで複数点が入ってもおかしくないチャンスを作り続けている。ただ、川崎が押し込めたのも最初の10~15分ほどまで。その後は、ボールこそ握れるものの決定的な形は作れない、という時間が続いた。
 
 こうした展開が生まれた要因のひとつとして、東京Vが「(川崎の)特徴が分かっていなかった」(ミゲル・アンヘル・ロティーナ東京V監督)ということが挙げられそうだ。東京Vは立ち上がり、まずは前から奪いに行こうとするが川崎の強さを自覚した上である程度引いて守る戦いに転換。ゴール前に分厚い守備ブロックを作ってきた。
 
 そんな東京Vを攻め崩せなかったという試合展開について、鬼木達監督は現時点で「攻撃面は今シーズン、そんなに多くは取り組んでいない」ということもあり、「想定内という意味では想定内」の内容だったと話す。また攻撃については「ちょっとした意思の疎通のところ」でのズレがあり、それが最後まで崩しきれなかった原因だと指摘。ただ、逆に言えばそうしたズレを合わせていけば攻撃は作れるということでもあり、表情に暗さはなかった。
 
 攻撃の最終局面でのズレについては家長昭博も「やっぱりそういうところの精度がまだまだ課題だと思いますし、キャンプを通してしっかり積み重ねていけるようにしていきたいですね」と反省の弁を述べていた。
 
 なお3本目は攻撃の機会がほとんどなかったが、終了間際の46分に狩野健太が直接FKを決め、この3本目だけで言えば1-0。また4本目として行なわれた海邦銀行との45分については、立ち上がりから得点を積み重ね、森本貴幸の2ゴールなどで5-0と大勝している。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)
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