チェルシーの「王者の風格」にジェラードもお手上げ?

2017年02月02日 山中忍

ジェラードのみならず、メディアもチェルシーを称賛。

直接FKを沈めたD・ルイスは、3バックの中央でDFラインを統率する重役を担っている。このブラジル代表CBの存在がチェルシーの独走を支えていること間違いない。 (C) Getty Images

「チェルシーが優位にいる」
 
 1-1で終わったリバプール対チェルシー(1月31日のプレミアリーグ23節)の優勝候補対決を、アンフィールドのテレビ中継ブースで見届けたスティーブン・ジェラード(昨年11月に現役引退。現在はリバプール・アカデミーのコーチ)は、そう言い放った。
 
 57分のジョルジニオ・ヴァイナルダムの同点ゴールに窓ガラスを両手で叩いて喜び、試合後には「"自分たち"が勝っているべき内容だった」と悔しさを覗かせたリバプールの元キャプテンも、タイトルレースにおけるチェルシーの優位性を認めざるをえなかったのだ。
 
 国内メディアの反応は、そんなジェラードよりも上だ。
 
『サン』紙が「ブルーズは順風満帆」と見出しを打てば、『デイリー・メール』紙のスポーツ1面でも、見事な直接FKで先制点をもたらしたダビド・ルイスが旧約聖書の中に登場する人物になぞらえて「ダビド王」と讃えられた。
 
 ジエゴ・コスタのPK失敗を大々的に伝えた『テレグラフ』紙にしても、その失敗のダメージは、「事実上のタイトルレース終焉が僅かに延びただけ」という表現にとどまっている。
 
 同紙をはじめ、試合前から国内では、今節のリバプール戦と翌節のアーセナル戦に連勝すれば、「優勝はチェルシーのもの」と見られていた。
 
 実際には、その1試合目となるリバプール戦はドローに終わる。それでも優勝への信憑性が増している背景には、外的要因もある。今節の他会場で、アーセナルがワトフォードに敗れたうえ、トッテナムもサンダーランドとスコアレスドローに終わり、ライバルたちが足踏みをしたからだ。

次ページセスクをはじめ控え組の足並みも揃うチェルシーには王者の資質が。

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