ミランはなぜニアングを追い出したのか? 急転直下で後釜確保には苦心…

2017年01月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

パフォーマンスではなくモチベーションが理由。

11月までは好調で、態度も悪くなかったニアング。しかし、ベンチが続くようになると……。写真:Alberto LINGRIA

 現地時間1月26日、ミランはFWエムバイ・ニアングをワトフォードに放出した。まずは75万ユーロ(9000万円)での半年レンタルだが、シーズン後半にニアングが10ゴールを決めれば、1800万ユーロ(約21億6000万円)での買い取り義務が発生するオプションが盛り込まれているという。
 
 今シーズンはミランで左ウイングの主力を担っていたニアングは、なぜ急転直下で放出されたのか?
 
 新任のヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、スピードとテクニックを兼備した22歳の逸材ニアングにとりわけ大きな期待を寄せていた。夏の就任以降、公の場で「私は彼に懸けている」と明言した唯一の選手だったほどだ。
 
 実際、ニアングは開幕から左ウイングのレギュラーに抜擢され、11節までに3ゴール・3アシストを記録。右ウイングで大ブレイクしたスソとともに、ミランの攻撃を牽引していた。
 
 風向きが大きく変わったのが11月以降。12節のパレルモ戦をインフルエンザで欠場すると、以降もコンディションが上がらず、持ち前の躍動感が鳴りを潜める。さらに15節のクロトーネ戦、16節のローマ戦では2試合連続でPKを失敗した。
 
 しかし、ミランが放出に踏み切ったのは、このパフォーマンス低下が最大の理由ではない。引き金となったのは、その態度だ。スタメン落ちすれば明らかに不満そうな態度を見せ、20節のトリノ戦、21節のナポリ戦では試合終盤に投入されると無気力プレーと言われても仕方がないパフォーマンスに終始。ナポリ戦後にはチームメイトの前でモンテッラ監督に対して起用法について噛み付いたとも報じられた。
 
 ポテンシャルを信じてずっと擁護してきたモンテッラ監督もこれで堪忍袋の緒が切れ、ワガママにすぎる態度にチームメイトやクラブ首脳陣も怒り心頭。主力から放出要員へ一転して成り下がり、結局は追い出されたのだ。
 
 そもそもニアングは2012年夏の入団以降、度重なる自動車トラブルをはじめ、フランスU-21代表合宿中の夜遊び、そして昨年10月のヌードモデルとのセックススキャンダルなどピッチ外での問題行動が少なくなかった。さらに肝心のピッチ上でもトラブルが続き、ついにミランから三行半を突き付けられた格好だ。
 
 ワトフォード移籍決定後のニアングは、「ミランとモンテッラ監督には感謝しているよ。常に僕のことを信じてくれたからね。彼らとの関係は一時的に途絶えることになったけど、僕たちの関係は何も壊れていないよ」と語っているが、このコメントを信じる者は少ないだろう。

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