セーブ率0%のマンC守護神に批判が集中。ただ、本当にブラーボの責任か?

2017年01月24日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

問題の本質は別にある。

22節のトッテナム戦、77分に同点ゴールを許したこのシーンも、ブラーボはノーチャンスだった。 (C)Getty Images

 マンチェスター・シティの守護神クラウディオ・ブラーボが、批判の集中砲火を浴びている。
 
 BBCをはじめとする英メディアの論拠は、総じて同じだ。被枠内シュート数に対するセーブ率の悪さを糾弾している。
 
 たしかに、ここまでは被枠内シュート59本に対して25失点を喫しており、しかも直近2試合(0-4で大敗した21節エバートン戦と2-2で引き分けた22節トッテナム戦)に限れば、被枠内シュート6本で6失点とセーブ率は0%。数字だけで判断すれば、"ザル状態"という辛辣な批判も納得だ。
 
 ただ、失点を重ねているのは、本当にブラーボの責任か。
 
 少なくともエバートン戦とトッテナム戦に関しては、情状酌量の余地が十分にある。アデモラ・ルックマンに股を抜かれたエバートン戦の4失点目以外は、ほぼノーチャンスだった。股を抜かれたシーンにしても、ジョン・ストーンズのミスが招いたピンチであり、ルックマンはノープレッシャーでフィニッシュに及んでいる。そもそも股下に飛んだシュートを止めるのは、簡単では決してない。
 
 たしかに、ここまで失点に繋がるミスがなかったわけではない。言葉の問題を抱え、DFとの連携に改善の余地を残しているのも事実だ。身長184cmとGKとしては決して大柄ではなく、サイズ的な物足りなさが批判に繋がっている側面もあるだろう。
 
 ただ、問題の本質は別にある。ボールロスト後の被カウンターに対処しきれていない戦術上の問題、そして簡単にフィニッシュまで持ち込まれ、フリーでシュートを許してしまっている守備全体の問題として捉えるべきだ。
 
 バルセロナとチリ代表で残した実績を忘れるべきではないし、ビルドアップで貢献できる足下のスキルは、ジョゼップ・グアルディオラ監督のスタイルには必要な武器である。
 
 ベテランGKの後半戦の巻き返しに、期待したい。
 
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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