武藤と大迫の「日本人対決」は、ともに決め手に欠けての痛み分けに

2017年01月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合は、互いに慎重になり過ぎ、盛り上がりを欠いたまま終了。

良いプレーは少なかったが、89分間、ピッチを走り回れたことが武藤にとっては最大の収穫と言えるだろうか。 (C) Getty Images

 1月22日(現地時間)、ブンデスリーガ第17節が行なわれ、マインツとケルンの対決はスコアレスドローに終わった。
 
 ヒザの負傷で昨年9月29日のヨーロッパリーグ(ガバラ戦)以降、ピッチから遠ざかっていた武藤と、今シーズンはブレイクを果たし、ここまでリーグ戦全試合に出場(第2節から連続スタメン)の大迫の対決としても、この試合は注目を集めていた。
 
 1か月のウインターブレイクを終えた両チームは、ともに慎重なプレーに終始。試合開始からしばらくはアウェーのケルンが攻勢に立ち、10分過ぎからはマインツが押し返したが、両チームともに守備にも高い意識を置き、無理に攻めることはしない。
 
 武藤は前線の一角として、試合開始から間もなく、ゴールで近い位置でボールを持った際には、ドリブルで仕掛けて相手の守備網の突破を図るなど、積極的な姿勢を見せたが、その後はなかなかボールに触れることすらできない時間が続く。
 
 一方、大迫は主に左サイドに位置取り、頻繁に上下動してプレーに絡もうとするが、こちらもやはり良い位置で、良いかたちでボールを受けることができない。
 
 ともに、パスを受けるために自陣まで下がってきてボールを収め、味方に渡すというプレーは確実にこなすものの、そこからの組織プレーがうまく機能せず、消えてしまうことが多々あった。
 
 そんななか、最初にビッグチャンスを得たのは大迫。36分、左サイドからのFKを頭で合わせたが、シュートはGKケスラーの正面に飛ぶ。これが前半、ケルンにとって最大の得点機だった。
 
 一方のマインツもなかなか相手ゴールに迫れず、ラッツァのミドルシュート、デ・ブラシスの豪快なバイシクルなどで得点を狙うに止まった。
 
 後半、開始からしばらくはややオープンな展開となり、互いに積極的に攻め合うなかで52分、武藤がハイロのスルーパスで抜け出してGKと1対1の決定機を迎えたが、シュートはブロックされ、こぼれ球を詰めたデ・ブラシスのシュートも枠を外れた。
 
 しかし、間もなくして再び試合は膠着状態となり、互いに攻めあぐむ時間帯が長く続き、結局、この状況は試合終了まで変わることはなかった。
 
 こんな状況のなかでは、前線に近い位置にいる選手が良さを発揮するのは難しく、以降、武藤が目立ったのは68分、左サイドからのクロスに、相手DF2人のあいだに割って入って合わせようとした場面くらいで、彼は89分に交代でピッチを退いた。
 
 一方の大迫は、後半になるとプレーエリアを左右にも広げ、63分にはペナルティーエリア深くに侵入し、ゴールラインぎりぎりの位置から正確なクロスを上げてCKを得た他、83分にはドリブルで突き進んで角度のない位置から強烈なシュートを放った。
 
 しかし、それ以外には見るべきプレーはなく、期待されたモデスト(彼もまた試合からはほとんど消えていた)とのコンビプレーはほとんど見られず、前半戦のような輝きを放つことはできなかった。
 
 盛り上がりに欠けたまま90分は過ぎていき、両チームは2017年最初の公式戦で、勝点1を分け合った。ケルンはこれで、6試合連続白星なし(5分け1敗)である。
 
 次節、ケルンは28日にダルムシュタットとのアウェーマッチに臨み、マインツは29日、ドルトムントをホームに迎える。元気な姿を見せた武藤と、香川の対峙は実現するか。
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