【磐田】名波監督の狙いは的中。早速あらわれた"俊輔効果”

2017年01月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

吹雪に見舞われたにも関わらず、大久保グラウンドには700人もの見学者が訪れた。

中村(写真)はストレッチで松井とペアを組み、にこやかに言葉をかわしていた。

 磐田では極めて珍しい雪。それも、一時は視界が遮られるほど吹雪に見舞われたにも関わらず、大久保グラウンドの見学席は、練習開始の1時間ほど前にはほぼ満席になった。
 
 目当ては、言うまでもなく新加入の中村俊輔。最終的には700人に膨れ上がった見学者と、50人を超える報道陣は、「サッカー界を揺るがす移籍」(名波監督)でサックスブルーの一員となった"天才レフティ"の一挙手一投足に熱い視線を送った。
 
 磐田のトレーニングウェアに身を包み、チームメイトとともに中村俊がグラウンドに姿をあらわしたのは14時過ぎ。見計らったように雪がやみ、穏やかな陽光が降り注ぐ中、トレーニングは軽いジョギングからスタート。見学席の前を選手一団が通過すると、大きな拍手が沸き起こった。
 
 初日は、例年通りランニングやリフティング、軽いパス交換、"鳥かご"など、コンディションをはかりながらのフィジカルメニュー。選手たちは、2時間ほど汗を流した。注目を集めた中村俊も、気負う様子も戸惑うこともなく、自然体でチームに溶け込み、終始リラックスした表情。ストレッチでは松井大輔とペアを組み、にこやかに言葉をかわしていた。
 
 この日、中村俊に熱い視線を送っていたのは、ファンや報道陣だけではない。
 
「練習を一緒にやっただけでもキックのすごさ、どれだけ天才なのかがわかる。気さくに話してくれるし、アドバイスをもらったり、盗んだりしていきたい」と大井健太郎が言えば、太田吉彰も「今日は俊輔さんを側でずっと見ていた。股関節がすごくやわらかい。世界的なキックの名手だから盗めるところは盗みたい。名波さんとやっていた時のように、自分が走れば必ずボールが出てくると思うから、もっと走れるようにしていきたい」と目を輝かせた。
 
「俊輔のプレーは次元が違うな、というところから始まって、認めてもらえた、とか、追いついてきた、という段階へみんなが進んでいって欲しいし、それが凄く大切。たとえば代表に長くいれば見馴れるものだけど、チームにはそういう選手は少ない。選手たちが今日、キックがすごいとか、そういうことを感じたことは、ファーストアクションとしては良いと思う」と名波監督。
 
 プレーだけではなく、若手、中堅に多くの刺激を与えること、サッカーに対する意識を一段階レベルアップすることも、中村俊を補強した狙いのひとつだろう。"俊輔効果"は早くもあらわれているようだ。
 

【PHOTO】中村俊輔初練習@ジュビロ磐田


 

次ページ「野球場を改装したからだと思うけど、壁がいっぱいあっていいなと改めて思った」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事