名古屋"復帰"の玉田圭司。会見で口にした"風間スタイル"への印象とは?

2017年01月11日 今井雄一朗

「すごくサッカーを追求している。それは自分に合うと思う」と断言。

トヨタスポーツセンターで会見した玉田。通算10年目の名古屋でJ1昇格を目指す。写真:今井雄一朗

 以前の名古屋時代に9年間背負い続けたエースナンバー「11」にちなんでか、玉田圭司の名古屋加入会見が1月11日に行なわれた。スタッフの車で送迎され、3年ぶりとなるトヨタスポーツセンター練習場に足を踏み入れた玉田は、笑顔で旧知の記者などと言葉をかわしつつ会見場へ。2日前の佐藤寿人の会見とはまた違う、「お帰りなさい」という温かい雰囲気に包まれるなか、"復帰会見"は始まった。
 
 冒頭、代表質問の第一声「お帰りなさい!」に顔をほころばせた玉田は移籍の経緯について「即決でした」と語り、「みなさん喜んでくれていると聞いていますが、その人たち以上に自分が一番喜んでいます」と帰還の喜びを口にした。
 
 C大阪での2年間も名古屋の動向や結果は気にしていたといい、「外から見ていて、悩みながらプレーしているように見えた」と降格のひとつの要因を指摘。その点については年長者として、ピッチ内外でリーダーシップを発揮していきたいと早くも意気込んでいる。
 
 クラブ初のJ2リーグを戦ううえでは、過去2年間のJ2でのキャリアも活かすつもりだ。「それほど経験してないけど」と謙遜するが、プレーオフで昇格を決めたチームの一員としての経験を還元し、「J1昇格、J2優勝を目標に掲げてやっていく」とパーフェクトな昇格ロードへの青写真を描く。
 
 そのうえでJ2は良くも悪くも雑さを特徴とし、そこに染まらずにJ1で戦えるチーム作りを目指すべきだと提言した。「難しい戦いだが、自分たちを信じることが大事。そこで結果を出せば自信も深まる」という言葉には、経験者ならではの説得力に満ちていた。
 
 また風間八宏新監督の印象を問われた際には「魅了されています」と正直な感想を述べ、「すごくサッカーを追求している。それは自分に合うと思う」と断言。佐藤もそうだったが、風間監督の指導について選手たちは「成長できる」というイメージがあるようで、玉田もまた「成長できると思う」とさらなるレベルアップへの期待を膨らませている。
 
 37歳を迎えるシーズンにしてまだまだその貪欲さは健在、"風間メソッド"の経験者にも実はリサーチ済で「毎日を楽しみながら成長していきたい」と穏やかに笑う。
 
 昨年は自分自身が満足いくパフォーマンスを残せなかった悔しさもあり、「それをグランパスでぶつけたい」といち選手としてのリベンジに燃える面も。「去年の僕を見て、年齢的なものがあると思っている人もいる。それを振り払えるようなプレーを見せていきたい」。クラブ史上に名を残す稀代のレフティは、"名古屋通算10年目"のシーズンで大きな仕事を成し遂げるつもりだ。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事