セリエA後半戦の注目銘柄5選! ディバラはメッシやC・ロナウドの後継者へ名乗り上げるか?

2017年01月07日 片野道郎

イグアインとの「欧州最強2トップ」は完成するのか?

前半戦は怪我もあり本領発揮とはいかなかったディバラ。イグアインとのコンビが噛み合いだせば、ユーベのCL制覇も見えてくる。写真:Alberto LINGRIA

■パウロ・ディバラ(ユベントス/アルゼンチン代表)
 パレルモからユベントスに移籍した昨シーズンに大ブレイクし、セリエAを代表するクラックという評価を確立した23歳のレフティー。敵2ライン(DFとMF)間にパスを引き出して仕掛けの起点となるトップ下的なプレーから、ペナルティーエリア内で一瞬の駆け引きでマークを外してシュートチャンスを作り出すプレーまで、最後の30メートルのあらゆる状況で違いを作り出すクオリティー(テクニック、ファンタジア、クイックネス)を備えたワールドクラス予備軍だ。
 
 今シーズンは新戦力のゴンサロ・イグアインとのペアが"欧州最強2トップ"に成長することが期待されていたが、互いの呼吸や距離感を計り合っている10月半ばの段階で右大腿に肉離れを起こして2か月弱の戦線離脱。12月半ばにやっと復帰を果たして、本格稼働はこれからという状況だ。
 
 にもかかわらず、すでにレアル・マドリー、マンチェスター・U、バルセロナといった超メガクラブが来夏に向けて獲得に動き出しているというニュースが出るほど、市場の評価は高い。なにしろマドリーが「9000万ユーロ(約108億円)+アルバロ・モラタの保有権」というオファーを用意していると噂されているほどなのだ。
 
 シーズン後半のユーベは、セリエAでの覇権を確かなものにしつつ、最大のターゲットであるチャンピオンズ・リーグ(CL)でベスト4、そしてさらに上を狙うことが目標。マドリー、バルサ、バイエルンといった戦力で上回る強豪を打ち破って躍進するためには、ディバラが本来のポテンシャルを発揮するだけでなく、イグアインとの2トップが機能性を高め、格上の超メガクラブに対しても決定的な違いを作り出すことが必要だ。
 
 その意味では、ディバラの復活、そしてイグアインとの連携を欧州最強2トップのレベルまで高めることが、CLにおけるユーベ躍進の絶対的な鍵と言える。
 
 そしてそれが本当に実現すれば、ディバラは間違いなくリオネル・メッシ、クリスチアーノ・ロナウドの「次」を狙うバロンドール予備軍に名を連ねる存在になるだろう。

次ページセリエA1年目にしてサンプドリアの司令塔に君臨。

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