【鹿島】2017年を見据えて「今は、あんまり考えたくない」。そう答えた昌子の真意は?

2017年01月01日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「代表もそうだけど、また新たな気持ちで挑みたい」

日本代表での活躍も期待される昌子。大きな飛躍を遂げた2016年を経て、2017年はまた新たな気持ちで、自らのパフォーマンス向上を目指す。写真:徳原隆元

[天皇杯決勝]鹿島2-1川崎/2017年1月1日/吹田S

 充実のシーズンだった。クラブワールドカップは惜しくも準優勝に終わったものの、リーグと天皇杯の"二冠"を達成。19個目のタイトルを数えた常勝軍団において、昌子源は不動のディフェンスリーダーとして抜群の存在感を放った。
 
 厳しい戦いを通じて、貴重な経験を積み、確かな成長を実感したはずだ。事実、試合を重ねるごとにプレーの質は高まり、ディフェンステクニックが磨かれていった。他の選手が抜かれても、昌子が難なく止める――そんなシーンは少なくなかった。
 
 ベストイレブンにも選出された。リーグ屈指のCBであることに異論を捉える者は、ごく少数派だろう。
 
 これだけの実力者なら当然、日本代表のレギュラーを担っても不思議ではない。吉田麻也や森重真人から、定位置を奪う――2017年はそんな野心もあるのではないかと水を向ければ、あっさりとかわされた。
 
「それは、今はあんまり考えたくないかな」
 
 そう昌子が答えるのは、すでに次の戦いを見据えているからだ。
 
「今はしっかり休んで、今シーズンの活躍だったり、チームの良さとかを忘れる必要がある。2016年はうちが良かったから、それを続ければ新しいシーズンも勝てると、ひとりでもそう思う選手がいれば、絶対に勝てないと思う。特にACLは。代表もそうだけど、また新たな気持ちで挑みたい」
 
 タイトルを手にしたからこそ、見えてきたものがある。
 
「どんどん、向上心をもってやっていかないと。やっぱり、そんなに簡単には勝てないし、タイトルの重みとか、そういうのを経験させてもらった。それを生かすためにも、変に自信を持ったりしないように。
 
 今シーズンは今シーズン。来シーズンは来シーズン。切り替えて、常に自分の良いパンフォーマンスを見せられるように、頑張っていきたい」
 
 勝者としてのプライドが、その表情に滲み出る。余韻に浸る間もなく、昌子は貪欲にさらなるステップアップを目指している。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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