【川崎】CS敗退からの見事な立ち直り。中村憲剛が明かすその舞台裏とは?

2016年12月24日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「悔いの残らないようにやりたかった」

準決勝進出を決めて喜びを見せる中村。タイトル獲得までは残り2戦だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯準々決勝]FC東京1-2川崎フロンターレ/2016年12月24日/味の素スタジアム
 
 11月23日のチャンピオンシップ準決勝で鹿島に敗れた川崎は失意の底にいた。だからこそ「挽回のチャンス(天皇杯)がなかったら失意のシーズンで終わっていた。このメンバー、スタッフでやるのは残り3試合だし、悔いの残らないようにやろうと話していました」と、悔しさをバネに一致団結して天皇杯準々決勝に臨んだことをキャプテンの中村は明かす。
 
 その言葉通り、川崎はFC東京を圧倒した。試合後の中村の言葉にも自信が漲っていた。
 
「相手をよく見て、プレッシャーに押されることなく、ボールを前に進められた。緩急を付けたり、サイドを変えたりと、相手が取りたいところで取らせないというのが最初は特に上手くいった。後ろに人数をかけながらでもボールを前進させることもできた。FC東京にしてみれば俺が最終ラインにいたりだとか、(エドゥアルド・)ネットが前にいたりだとか、付きづらかったと思います。
 
 システムはありますが、自分たちがボールを受けるためにどう動くかというのはずっとやってきたこと。FC東京は(監督が)篠田さんになってからアグレッシブにプレスをかけてくるのは分かっていたので、それをどう掻いくぐるか、自分たちらしくどうやるかというのは話してきました。前半で2点を取れましたし、3点目を取れたらベストでしたが、上手くできたと思います」
 
 まさに会心の勝利。その成果を得られたのはチャンピオンシップからの約1か月で最善の準備ができたからだとも中村は話す。
 
「(1か月で)緩んじゃうのはしょうがないけど、うちはピリピリ、それは厳しく口で言うとかじゃなくて、質の部分、ひとつのパス、トラップ、動き出しの質を、特にこの1か月は口酸っぱく自分たちで求め合ってきました。本当に集中したトレーニングができたと思います。それがそのまま試合に出たのかなと感じます」
 
 中村、そして川崎にとってタイトル獲得は悲願だ。先のチャンピオンシップを含めてあと一歩のところで何度も涙を飲んできた。だから今度こそは――。
 
 準々決勝を最高の形で勝利したキャプテンの目には強い想いが宿っていた。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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