スペインの「ビッグ3」全てと対戦した鹿島――欧米勢との対戦履歴

2016年12月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

この3チームと同じピッチに立ったJチームは鹿島だけである。

マドリーを慌てさせた鹿島。敗れたとはいえ、多くの収穫を得た、価値ある一戦だった。ちなみにこれまでマドリーに勝ったJチームは、親善試合での東京ヴェルディ(3-0)だけである。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 クラブワールドカップ決勝でレアル・マドリーと延長戦にもつれ込む激闘を展開した鹿島アントラーズ。開催国枠からの出場で世界一にあと一歩と迫った彼らには、世界中から称賛の声が寄せられた。
 
 欧州王者と公式戦で対決するという貴重な経験をした鹿島が、ここで得た収穫は非常に多かったことだろう。それを活かし、今度はアジア王者として再び世界一クラブ決定戦の舞台に戻ってくることを誓った。
 
 その鹿島だが、過去には親善試合ではあるものの、バルセロナ、アトレティコ・マドリーとも対戦。1993年のJリーグ創設以降、多くのビッグクラブが日本に到来し、また対戦のチャンスが生まれたものの、スペインの「ビッグ3」と同じピッチに立ったJチームは、鹿島だけである。
 
 最初に対戦したのはバルサ。2004年の日本ツアーでのことであり、前年に就任したライカールト監督の下、魅力的な集団へと変貌を遂げた時期だった。
 
 なかでもロナウジーニョはキャリアのピークを迎えつつあり、この日本ツアーでもコンディション的には完全ではないものの、ドリブル、フェイントで華麗な技術を披露。鹿島は彼を抑えられず、3つのアシストを許すこととなった。
 
 ちなみにこの試合では、まだリーガデビューを飾っていなかったメッシが後半途中から登場。ロナウジーニョのお膳立てからゴールを決め、その非凡さを早くも日本で披露していた。
 
 5発を許してバルサに完敗を喫した鹿島はその2年後、中国・上海で行なわれた国際サッカートーナメントに出場。この大会には、地元の上海申花、鹿島、A・マドリー、そしてマンチェスター・シティが参加した。
 
 鹿島は初戦でA・マドリーと対戦し、後半にA・ミネイロのヘッドで先制したが、直後に負傷者が出てバタつき、すぐにF・トーレスの同点を許す。
 
 その後、勝ち越しを狙って攻めに出たところで逆襲を浴び、交代出場のアグエロ、ガジェッティにゴールを許し、逆転負けを喫した。
 
 悪コンディションのなかでミスも目立つなど、消化不良に終わった鹿島だが、後日、マンチェスター・Cには4-3で勝利している。なお大会は、後に日本代表の監督に就任するアギーレ率いるA・マドリーが優勝を飾った。
 
 そして記憶に新しいマドリー戦。厳しい日程のなかで、1試合ごとに力を高め、決勝に駒を進めた鹿島は、スター揃いの欧州王者に対して、決して守りに入ることなく、一時は柴崎の2ゴールで逆転し、勝利に大きく近付いた。
 
 残念ながら延長戦で力尽きたものの、世界を驚かせた鹿島。そしてこの経験が、さらに今後の彼らを強くしていくに違いない。そして、前述の2試合での敗北もまた、現在チームを形成するうえでの貴重な糧となったことだろう。

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