「レフリーが味方になってくれて、少しハッピーだった」――S・ラモスが疑惑の判定騒動を振り返る

2016年12月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

疑惑の2度目の警告については「主審からすぐさま離れようと思った」と語る。

自身2度目の世界制覇を成し遂げたS・ラモスとペレス会長(左)、ジダン監督(右)の3ショット。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 レアル・マドリーが史上最多となる通算5度目の世界制覇を達成した。
 
 豊富な運動量を利した鹿島のサッカーに苦戦した欧州王者は、一時、柴崎岳に逆転弾を決められ窮地に立たされるも、最後は地力の差を見せつけて、延長戦の末に世界王者となった。
 
 その勝利に酔いしれる歓喜の輪の中心にいたのが、キャプテンのセルヒオ・ラモスだ。試合後に「今日はマドリーのサポーターと選手、スタッフにとって特別な日になった。これまで積み上げてきた努力の成果だと思っている」と喜びのコメントを残した。
 
 また、スペイン代表CBは、鹿島の戦いぶりを「彼らは僕らにダメージを与えた。インテンシティーの高い試合を演じていた」と称賛。「手強い相手だった」とその実力を認めるコメントを残した。
 
 ちなみに2-2のタイスコアだった89分、S・ラモスが金崎夢生を倒した場面で、主審のジャニー・シカズがポケットからイエローカードを取り出そうとしていたが、それを止め、2度目の警告を与えなかったことが世界のメディアを騒がせている。
 
 スペイン紙の『ムンド・デポルティーボ』は、「S・ラモスは退場を容赦された。彼は退場にさせられるべきだった」と伝え、英紙『ザ・サン』は、「なんてスキャンダルだ!」と主審の判定を酷評した。
 
 渦中の身となったS・ラモスは審判のジャッジについて質問が及ぶと、次のように応えている。
 
「1枚目はイエローカードに値しないものだった。2度目についてはレフリーが僕の味方になってくれて、ちょっとハッピーだったね。その瞬間は、できるだけその場を早く離れた方が良いと思った」
 
 本人も退場を覚悟していたという疑惑の判定に戸惑うことなく、その後も安定したパフォーマンスを披露したS・ラモス。最後はベンチでタイトル奪取の瞬間を迎えたが、「タイトルを勝ち取って1年を終えることができ、とても誇りに思う」と語った。
 
 堂々たるプレーで、鹿島を退けたレアル・マドリー――。その銀河系軍団を統率し、勝者の威厳を見せつけたのは間違いなくキャプテンのS・ラモスであった。
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