【高円宮杯】土曜日に迫った青森山田と広島ユースの頂上決戦。勝敗を分けそうなポイントは?

2016年12月16日 川端暁彦

パスワークの広島ユースか、堅守がベースの青森山田か

WESTブロックを独走のまま制した広島ユース。4年ぶりの優勝を目指す。写真:川原崇(高校サッカーダイジェスト)

 12月17日、埼玉スタジアム2002を舞台に、高体連・クラブユースの垣根を越えて高校年代の頂点が決定する。高円宮杯U-18チャンピオンシップだ。
 

 この大会はEAST(東日本)とWEST(西日本)に分かれて実施されている高円宮杯プレミアリーグの王者同士が対戦し、日本一を決定する一発勝負。2011年にカップ戦だった高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権を発展的に解消する形で創設され、着実に歴史を積み上げてきた。

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 今年はEASTブロックを青森山田(青森)が、WESTブロックをサンフレッチェ広島ユース(広島)がそれぞれ制覇。埼スタで両雄があいまみえることとなった。
 

 この2チームの今季公式戦での対戦はないが、春休みに練習試合で戦っている。そのときのスコアは2-0で広島ユースに軍配が上がった。
 

 青森山田MF住永翔(3年)が「相手のシステムが独特で、ビルドアップに対して混乱してしまった」と振り返ったように、個の力に圧倒されたのではなく変則的な広島のスタイルに戸惑っての苦杯だけに、「今度はしっかり準備もするので大丈夫」(住永)と自信を見せる。「(広島ユースが)巧いのは間違いないけれど、全員で戦えば勝てると思っています」と、ジェフ千葉入団が内定しているMF高橋壱晟(3年)も力強い。
 

 トップチームと同じ3-4-2-1のフォーメーションで、トップ昇格が決まっているDFイヨハ理ヘンリー(3年)、実力派の2年生MF川村拓夢、気合いと技術が同居するMF力安祥伍(3年)らが起点となって後方から丁寧にビルドアップしてくるのが広島ユースの基本的な戦法。就任2年目の沢田謙太郎監督は、戦術的にトップチームを模しながら、同時に「この年代で絶対に忘れてはいけないこと」と、森山佳郎元監督以来の伝統と言える"闘う気持ち"も強調する。戦術的な判断力と旺盛な闘争心を同時に喚起しながらチームを整備し、今季WESTブロックの独走優勝に繋げた。
 

 また、セレッソ大阪への入団が内定したFW山根永遠(3年)が準優勝だったJユースカップとWESTブロックでともに得点王を獲得し、乗りに乗っているのも頼もしい。群を抜くポテンシャルを持つ2年生FW満田誠を含めた攻撃陣はいずれも個の打開力があり、先のJユースカップでも1対1にさらされたDFたちは容易にぶち抜かれていた。

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