アッレグリが来夏にユーベ退任? 後任候補2人はともにポルトガル人の新進気鋭だ

2016年12月14日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ユーベがリストアップしている2人とは?

ミランとユーベで計3度のスクデットを経験しているアッレグリ。昨シーズン途中にはベニテスを解任したマドリーの新監督候補に挙がるなど国外でも評価が高く、ユーベ退任となれば満を持して国外挑戦か。(C)Getty Images

 ユベントスが好調だ。セリエAでは16節を終えて2位ローマに勝点4差を付ける首位、チャンピオンズ・リーグでもグループ1位で
ベスト16進出を果たした。常に良いサッカーを見せているわけではないが、結果だけはしっかり持ち帰る。足を滑らせることは稀だ。
 
「向けられているのは賛辞だけ」と思いきや、必ずしもそうではない。内部からは多少の軋み音が聞こえ始めているからだ。
 
 どこから? それは他でもない、マッシミリアーノ・アッレグリからだ。ヨーロッパでも指折りの名監督は、今シーズン限りでユーベを去る可能性がある。彼自身のというよりも、クラブの意思によってだ。
 
 この話題は現段階ではもちろんタブーだ。シーズンはまだ折り返し点も過ぎていないし、目標とするトロフィーはすべて目の前に並んでいる。
 
 しかし、すでに"次"に向けた動きはスタートしている。ターゲットのひとりは、CLとリーグ・アンで躍進するモナコを率いるポルトガル人のレオナルド・ジャルディム。ユーベ首脳陣は彼をとても高く評価している。
 
 ターゲットはひとりだけではない。もうひとりもやはりポルトガル人だが、現在は都市、クラブ、サポーター、すべてにおいてユーベと強いライバル関係にあるクラブを率いている。
 
 そう、フィオレンティーナのパウロ・ソウザだ。今のところ直接のコンタクトはないが、水面下ではすでに探り合いが始まっており、その感触はどうやらポジティブなものだ。
 
 アッレグリはユベントス(そしてイタリア)を去り、その後任にはパウロ・ソウザ。彼がお気に入りの教え子フェデリコ・ベルナルデスキあたりを一緒に連れて来るというストーリーも、決してクリスマス前の「ファンタメルカート」(想像上のメルカート)ではない。
 
 しかし、ここから「ファンタ」を取るためには、まだ時間が、そして結果が必要だ。アッレグリが胸を張ってトリノを去るためには、ユーベが21年遠ざかっているビッグイヤーが不可欠だろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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